騎士王と姫【炎炎ノ消防隊】 (ページ11)

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早速、私達は競技会場に向かう。

『すごい建物…。』

建物の予想以上の大きさに、呆気にとられて
しまった。

今からここに突入するのか…！

隊員「これから、火事場に見立てたあの建物に
一斉に突入してもらう。
障害を突破し、要救助者を助けてから最も早く
焰ビト役の隊員の元にたどり着け！」

アーサー「なるほど、城攻めか…。」

それはちょっと違う気もする……。

でも、決して難しくはないルールだ。

隊員「用意はいいか！

─────スタート！！」

スタートの合図として炎が吹き上がり、私を
含めた新人たちが走り出す。

しかし……

『森羅！？』

森羅だけは、スタート位置で静止したままだったのだ。

森羅「…つっても俺の場合、飛べばいいだけだからな！ヒーローはいつだって空から登場だぜ！」

アーサー「汚ねェ……これだから悪魔は。」

？「くそっ！──“ネコマタ”！！」

隣を走っていた子が、炎で猫又のような耳と尾を纏って走った。

……私も負けていられない。

発火できないし空も飛べないけど、私はこの体力で勝負する。

森羅にも、猫又の子にも追いつく！！

───────

『誰か、生存者の方はいませんか！
消防隊員です！救助に来ました！！』

…と言ってみるものの、反応は全くない。

『おかしい、入口から大分奥に入ってるはず
なのに。……わッ！？』

？「痛ッ！！」

角を曲がった直後、私はそこから現れた誰かに
ぶつかってしまった。

『ごめんなさい！……って、あなたはさっきの…
“ネコマタ”の子？』

環「ああ、私は環古達。第１の新人。
あんたは？」

『あ……私は第８の新人で、A不知火です。』

第８の人以外は話したことがないから、自然と
緊張してしまう。

環「“A”か……よろしくな！
…ところで、要救助者は見つかったの？」

『いや、まだ…。でも何かおかしいんです、
ここ。誰もいない気がするって言うか…。』

環「うーん、私もそうなんだ。
とりあえずこの道を進んでいけばいいか…。」

環さんはそう言って歩き出す。

『わ、私も行きます、環さん！』

環「“環”でいいよ。
…早く焰ビト役を見つけなきゃだよなァ……。」

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