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セロリの血液/ Lrn.I ページ42

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「あ。」
「ちょ、待ち。ティッシュ。」

一滴の血筋がたらり、と口元へ這ってゆく。奇跡の様なそれに釘付けになった瞬間に慌てなければならない事を思い出した。血液が流れるとは即ち怪我を負っている事。止血をして手当をすべきだ。取り敢えず肌触りの良いティッシュを何枚か引き出し、彼女の鼻に当てる。箱を彼女の膝に置いてやり、ゴミ箱を近くに引き寄せた。

「氷、氷。やべ、何処やっけ。」
「下の段の上。左下端に纏めてる。」

無色透明の仕切りに丁寧に纏められていて、ぞ、とした。神経質過ぎん、うちの彼女。適当に一つ取り出して、物干の乾いたハンカチに包んでやった。鼻にぴたり、と当てて固定してやる。きゅ、と眉間に皺を寄せる姿が可愛い。

でこぴんしてちゅ、ってしてあげたいが、そんな事をしたら鼻血の止まりが悪くなるので我慢だ。ふ、とゴミ箱の方へ視線を傾けると赤く染まっててらてらと鈍色が滲んでおり、思わずごくり、と喉が鳴った。此処で留まらなければ、彼女に手を加える最低な男へ落ちてしまう。怪我をしている彼女は世界一可愛いからやり過ぎて嫌われる可能性がある。

「ろぉれん、とまった。」
「ほんま?見してみ?」

小鼻を覆う様に押さえさせて、鼻筋を冷やして下を向かせて数分。漸く彼女の鼻血が止まったらしい。ティッシュを退かすと乾きかけの血液とそれがこびり付いた鼻頭が目に入る。確かにもう滴ってくる気配は無かった。顔を上げさせて、鼻の穴の奥を覗き見る。

「どう?」
「んー。多分大丈夫そ。」

瘡蓋が見えたので、油断はならないが止血は出来た様だった。ふっくらとした頬を思わず掴んでしまったが、彼女は気にしていない様子である。滑らかな肌に指の跡が付いたらどれほどに良かろうと思った。ゴミ箱の中には彼女の血液が輝いていて、ぞくりと欲が疼いた。

「俺、Aちゃんが心配だわ。」
「ごめんね?」

こてん、と首を傾げる仕草があどけない。膿出るこのどろり、とした執着心を莫迦正直に刻み付けたいと思わせる。彼女が怪我する度、悪気無く謝る度、冷たく突き放して心臓に迄業と刺し潰してしまいたくなる。歯切れの良いセロリの様にざくり、ざくりの音と共に滴る猟奇に口付けたい。

セロリの血液/ Lrn.I→←広がる夜翅/ Y.Kkr


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設定タグ:2j3j , ヤンデレ , 短編集   
作品ジャンル:タレント
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鵯(ひよどり)(プロフ) - イズミさん» お初お目にかからせて頂きます。ご愛顧賜れて何よりで御座います。リクエスト承りました。緩慢に連ねておりますので3日〜1週間程お時間頂戴する事、ご承知おきくださいませ。 (2022年11月29日 21時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ(プロフ) - 初コメ失礼致します。鵯様の作品の何とも言えない美しさの虜になった者です。リクエストでskngさんで束縛タイプのヤンデレは可能でしょうか…?その他のシチュエーション等はお任せ致します。 (2022年11月29日 18時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 煙さん» 此方こそ大変有難うございました。そういう表現は旗付きにならない様にする事が出来ませんでした。無念。妄想で補ってくださいませ。大変申し訳ない。微力ながらも精進して参ります。よろしくお願いします。 (2022年11月20日 23時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエスト書いてくださりありがとうございます…!実物の彼はヤンデレチックな素振りをあまり見せないので難しいかなぁと思っていたのですが、見事に解釈一致で助かりました。これからも貴方様の美しい小説を楽しみにしております! (2022年11月20日 22時) (レス) id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも主様の作品楽しく読ませていただいております。リクエストなのですが、夢主が少し病み気質で手首に傷をつけたりしてしまうタイプで、夢主大好きなkgmさんがおそろいにしたくて真似しちゃうみたいなお話をお願いしたいです。 (2022年11月16日 17時) (レス) @page1 id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鵯(ひよどり) | 作者ホームページ:  
作成日時:2022年10月24日 19時

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