スノードームの雪だるま ページ10
※クリスマス企画
きらきらとまるで天から星が落ちそうな程美しい夜。星座が星間線さえくっきりと示すような凍った冷たい夜。吐いた息が雲になるほど、気温が低かった。そんな夜にも関わらず、私は往来の激しい大通りの喫茶店で温くなった珈琲を嗜んでいた。私の好物であるモンブランケーキも食べ終え、帰るのみになっていた。
改めてこの場所を省みるとここは喫茶店でもあるが、ケーキが売りの喫茶店である。諸君ならば、私の言いたいことはお分かりだろう。
本日はクリスマス・イブ。人通りの多い大通り。ケーキが売りの喫茶店。つまり、売り子がせっせと客を呼び込み売り上げに貢献しようと躍起になっているのだ。某飲料会社の洗脳だろうが、赤いナイトキャップを被って、クラークたちが接客をしている。
私にも、サンタさんなんて忌まわしいものを信じていた時期があった。
その頃から一味違った私はサンタに雪を頼んだ。正確には雪だるまが作れるくらいの雪を所望した。
＿＿＿もちろん、叶わなかった。
だいたい太平洋側の地域に住む私のところには気候自体、雪が降るはずないのだ。それに叶えられるのはサンタではなく、神だろう。度を超えたプレゼントを所望してしまった。
勿論、サンタなどという偶像はいない。私は子供達の夢を破っていくスタンスなのだが、サンタである両親はそれはそれは頭を悩ませただろう。我が子は雪が欲しいというが、彼らにそのような芸当はできない。逡巡した結果なのだろう。寒さに心震わせ、赤い包装紙を破いて見えた白い箱の底には。
綺麗なスノードームが入れられていた。雪に囲まれた素敵な煙突のついた煉瓦造りの一軒家の周りにもみの木と思われる木々が綿帽子を被っている。勿論、煉瓦造りの家屋にもびっちりホワイトチョコレートの板のように雪が降り積もっている。玄関口の傍らには大きなクリスマスツリーが赤や黄色の装飾を施され、頂には星が輝いている。手前にはサンタさんのと思しき赤塗りのソリに沢山のプレゼントが乗っている。何頭かのトナカイがそれを引いて黒馬ではないんだ、と無味なことを思ったものだ。
中でも極め付けはその端に申し訳程度に置かれたスノーマンだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
