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インモラルな監獄で ページ9

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背徳的。それは密会に洒落込んだ憐れな紳士淑女の二人だった。東京の夜に中々洒落たホテルがあって、そこで二人は晩餐を頬張っていた。

互いにシャンパンを傾けチリンとこぎみよくグラスを鳴らす。中のスパークリングがぱちぱちと弾けた。グラスの中に東京の夜が溶ける。二人の笑顔は何処か仮面舞踏会(マスカレード)じみていた。

それは安直なホテルで東京の夜が一望できた。チカチカとした数えるのも気が遠くなるような無数の無機質な星たち。それらが天の川のように眼前に揺蕩う。イルミネーションに飽きた二人にはこのくらいが丁度いい。電飾であれやこれやと着飾るのは馬鹿らしいと彼らは思っているのだ。おそらく。

紳士だ、淑女だと言っても彼らはまだ若い。秀才と貫禄の滲み出る二人はまだ成人して数年。綯い交ぜになった、不自然なアンバランスさが彼らをより一層魅力的に見せていた。

淑女、いや彼女はあまりにも可憐で華奢でそれでいて清純な乙女のように見えるのでここでは少女と綴っておこう。そう、少女はトランクからレース生地の美しいネグリジェを片手に水遊びに奥へ消えた。

紳士、彼は少女よりも4、5歳ほど上に見えるが、実は同い年なので彼も少年と記しておこう。彼はそんな少女をただ微笑で見送って型だけのスーツを脱ぎ始めた。あくまでもくつろぐためだけに、だ。成る程。照明に露わになった彼の顔は何処かあどけない。彼は軽く苦笑して手元に嵌められた小さな銀の枷をガラス製のテーブルに置いた。

彼は既婚者だった。家では妻が待っているだろうに聖夜前夜にこのようなところで油を売っていていいのだろうか。まあ、彼には沢山の彼女と浮気相手とがいるからその限りではないのだろう。建前と感情論だけでは全てを語れないのだ。きっと彼の周りにはそんな御門違いが集うのだろう。

彼は酷く曲がった笑みを浮かべて、一人ベッドに腰掛けた。甘く吐き気を催すキャンデーとブランデーの香り。側に置かれたキャンドルの炎が一際明るくゆらりと揺れる。それは情事の柘榴を彷彿とさせて何処か艶かしい。甘酸っぱく息苦しさに酔うのは今宵。東京の夜に逆らって背徳的に。四角い檻の中で熱に浮かされて、彼女を。

スノードームの雪だるま→←反射した幸せ


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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます!流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました! (2017年12月29日 19時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか?もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです!……こ、こういうリクエストも平気ですか? (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月20日 18時

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