消しゴム恋愛成就論 ページ41
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彼の様子から察するに彼に私の気持ちが伝わってしまっているようだ。だったら今、告白してしまっても結果は変わらないのではなかろうか。それならば告白が怖いこともないし、万が一振られてしまってもおまじないのせいにできる。
失恋への恐怖と涙を飲み込む辛さを今は考えなくてもいい。当たって砕けてもどうせ青春の一ページとして数えられるだけだ。そう腹をくくり、覚悟を決める。彼を真正面から見つめてありったけの想いを今！
「ねえ！」
彼の頬は綺麗な夕焼け色に染まっていて、とっても綺麗だった。かくいう私も耳が灼けるように暑いのだからおあいこかもしれない。
「私、君のことが好きっ！」
溢れんばかりの想いははち切れて夕焼け色の教室いっぱいに染み渡っていく。恥ずかしさでいっぱいだけれど、今更引くことなんかできない。
彼はゆでだこよりもずっと赤く頬を染めて頭を抱えた。
「あー。ちょっと待ってくれ、あ、あー。」
珍しく彼は困惑している。どうやらキャパオーバーしたらしい。そうして突然の出来事に焦っている。あまり見ない彼の一面に少しだけ母性のようなものが芽生える。彼はうわ言のように言い放った。
「あー、うん。俺も、好き、だ。」
その後もあー、だの、うー。だのと呻き声を上げている。これは照れていると捉えてもいいのだろうか。それよりも。
「ま、待って！？すっ、好きって！」
大事な二文字を危うく聞き逃すところだった。反射的に質問したため、意に反する大声が出てしまう。彼は右手で軽く頭を掻き、苦し紛れに口にした。
「ああ。そうだよ。俺はお前が好きだ。」
拗ねるように鼻を鳴らしたその態度に思わず笑みが溢れる。照れているのが丸わかりなのに尚も隠そうとする彼を愛しいと思った。
「こんなのに頼らなくても良かったかも。」
手元の消しゴムをコロコロと弄び、彼の名を見つめる。キラキラと白く氷のように反射したそれはとても輝いて見えた。
「そうだな。そろそろ帰るぞ。」
何となく周りを見渡すと時計に目がいく。とうの昔に絶対下校時刻は過ぎ去っていて、夕陽も一筋の煌めきを残して沈んでいる。空は夜の気配を纏い、空気を濃紺に染め上げていた。
「じゃあ、帰ろっか。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
