境界線 ページ6
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白い塔に残されてしまった。君は今しがたてるてる坊主になってしまったばかりだから、何も答えない。君の地につかない脚が所在なさげにゆらゆら揺れてる。
窓から差し込む潮風が小さなお城を少しずつ削っていく。
目にしみる光は抗力を失い地平の境界線の向こうに沈んだ。鼻に詰まる磯の香りに腹が立ったがいちいち気にしていては神経衰弱になってしまう。ベタベタになった窓を閉め、部屋に鍵をかけた。
何故君は死んだのだろうか。
ここはライフラインも整っているし、住むにはもってこいの場所だ。もっと言えばここは私が創造したセカイだ。
海のど真ん中に立っているこの白い塔は私が作った唯一のセカイだ。
不老不死という概念が定着したこのセカイで私はまた1人になってしまった。厳密に言えば抜け穴があるのだが。
私は再生と蘇生をするであろう君を首縄から下ろした。と同時に海に放り投げた。どうせまた登ってくる。
さっさと首縄をその場で燃やす。君は何てモノを作ったんだ。
まあ、努力と執着した物には情熱的になる研究力は類を見ないものだから君ならいつか作り出すとは思っていたが、まさか実践するとは。
研究家として素晴らしいと賛辞を送るのみである、海に。
「さて。私は果物でも食べようか」
塔の中に作った温室から果物を取ってくる。昔、リンゴを食べた人間がいたそうだが、私は人間ではないため、別に食べても問題はない。
リンゴ、美味しい。
丸かじりすれば甘い汁がぽたぽたと落ちる。
正反対の君と私が出会うのも偶然すぎる。
神様、神様でも恋はできますか?
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桜花 - 綺麗ですね。どう伝えたらいいのかはわからないんですけど、とても綺麗で、もっともっと読みたくなります。他の作品も覗かせていただきますね。 (2017年12月14日 20時) (レス) id: c1d7847deb (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - とっても面白いですっ!特に、気まぐれ暴風域にようこそが個人的にお気に入りですっ!更新、楽しみに待ってますねっ! (2017年11月14日 8時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵯 | 作成日時:2017年11月4日 2時