凶運?いいえ、狂運です。 ページ36
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「ごめんね。お嬢」
そういうと彼は私に目隠しをした。どうやら景色を覚えることが相当まずいようだ。
私はおとなしくされるがままにしておいた。
「ねえ、お嬢、ってどういうこと?」
「さあ、着いたよ」
彼は私の質問に答えることなく、私を引っ張った。段差とか一々言われるから特に躓くことはなかったけれど、なんだか目隠し鬼みたいで斬新。嫌いじゃない。
「目隠しとりますね」
目の前の明るさに軽く頭痛を覚えながらも辺りを確認する。
「ここは?」
「あなたの実家ですよ、お嬢。」
心外だった。こんな家の生まれだったとは。父の実家はそういう暴力系の家業だった。これは逃げ出したくなるのも頷ける。
白衣の彼が奥に入って行ったので私も後ろについていく。
あまりにも周りの人が怖いので白衣の人の後ろにべったり続きながら歩く。白衣の人は嫌がりもせず、照れもせずに私に歩調を合わせながら前を向いた。
「頭、お嬢を連れてきました!」
部屋に入るのを催促する声が聞こえる。半端ではない緊張感に支配されながらも足を進める。
室内には柔和なおじいさんがいた。見た目で判断しそうになるが、威厳みたいなオーラがそのおじいさんから溢れてきている。ヤバい。潰されそう。
「お待ちしておりましたよ」
軽く今後のことなどを話し、その場は解散となった。付き人は先ほどの白衣の人だったので少し安心。
けど、私がねぇ。
凶運?いや、多分違う。きっとここまで人生に色々なイベントがある人は少ないだろう。きっと運にガン振りしてあるのだ、私の人生は。運のメーターが狂っているレベルで。最高に強運、すなわち狂運。
これからがすごく楽しみだ。
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桜花 - 綺麗ですね。どう伝えたらいいのかはわからないんですけど、とても綺麗で、もっともっと読みたくなります。他の作品も覗かせていただきますね。 (2017年12月14日 20時) (レス) id: c1d7847deb (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - とっても面白いですっ!特に、気まぐれ暴風域にようこそが個人的にお気に入りですっ!更新、楽しみに待ってますねっ! (2017年11月14日 8時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵯 | 作成日時:2017年11月4日 2時