宿題は恋の始まり ページ31
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腑抜けた生返事を一つして目の前の文字の羅列に意識を飛び込ませる。トトは丁寧に一問ずつ教えてくれた。今更ながらいい友を持ったものだ。
響く時計の音。引っ掻く鉛の音。差し込む夕日。あなたの声。意味を持った記号の羅列が面白いように理解できる。
さて、解き始めてどれぐらいの時がたったのだろうか。夕日が完全と言っていいほどに沈みきり、廊下の電気がぽつぽつとつきだした。
「終わった…。奇跡だ。」
「奇跡ちゃうわ、あほの子パワーや」
にかにかと笑うトトと外の風景を見比べるとなんだかとても申し訳なくなった。実質1時間30分程、付き合わせたのだから。そりゃあ、そうだ。
「ごめんね、トト。遅くまで付き合わせて」
「大丈夫や。俺がおらへんかったら永久に終わらんかったやろ?」
う。確かにおっしゃる通り。本当に助かりました。
「心の声、漏れとるで。」
けらけらと笑うトト。バカにすんな。
「それじゃ、先生に提出、行きましょか」
「あ、置いてかないでー。」
スクールバックを二個持ちするトト。男前だなあ。教室の戸締りを確認して彼は教室の電気を消した。
「プリント持ったか?」
「持ってるよ!」
「ほんなら、はよ行こか。」
にしし。という効果音がつきそうなくらいいたずらに笑うトト。なんだか胸がざわめいた気がした。こんなバカみたいなやりとりをしている時間が幸せで。
ずっと続けばいいのに。
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桜花 - 綺麗ですね。どう伝えたらいいのかはわからないんですけど、とても綺麗で、もっともっと読みたくなります。他の作品も覗かせていただきますね。 (2017年12月14日 20時) (レス) id: c1d7847deb (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - とっても面白いですっ!特に、気まぐれ暴風域にようこそが個人的にお気に入りですっ!更新、楽しみに待ってますねっ! (2017年11月14日 8時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵯 | 作成日時:2017年11月4日 2時