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CHIRK POP GIRL ページ32

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赤はヒーローの色じゃない。女の子の唇の色。

そう思ったのは俺が6歳の時だった。

ちょっとばかしマセてた俺の初恋。入学して2週間がたったその日だった。

俺の小学校は私服登校で制服なんてなかった。


桜が散り終わってコンクリートの歩道が薄ピンクの華麗な絨毯と化していた。


日向に当たる黒髪。あまりにも黒すぎて青に見えるその髪は肩口で切り揃えてある。人形みたいに白い肌に漆黒の瞳。特に唇が血よりも真っ赤だった。

綺麗だと思った。さながら天使のように無垢で愛らしい。白いブラウスが日光に反射して彼女の輪郭がボヤける。黒の膝丈スカートがふわりと春風にさらわれて。

まるで天使が舞い踊り羽を散らして遊んでいるようだ。


世界が褪せる。


全ての色が彼女に集められて彼女だけが光るように色鮮やかに佇んでいる。

ベタ塗りした青空にクレヨンの虹が架ける。

綿でできた木工用ボンドで貼られた雲が虹を支える。ビーズでできた赤や黄色の星が青空を着飾る。

彼女の頬は薔薇色に色づき、血のように赤い唇がさくらんぼのように可愛らしく、どこか切なく言葉を紡ぐ。


赤はヒーローなんかのちゃちな安っぽい色じゃない。天使が言葉を紡ぐ唇の色だ。

吐くは愛、吸うは毒→←ジャム瓶の苺



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作者名: | 作成日時:2017年9月18日 11時

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