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おむれつ ページ1

°


「まま、おなかすいた」

リビングでくつろいでいたら愛娘のお腹すいたコール。時刻は12時5分前。

俺はどうすればいいのか分からなかった。

嫁はぐっすり眠っていて、そんな嫁の袖を引っ張って涙ながらに起こそうとする娘。


どうやら嫁を起こすのを諦めたらしく、俺の方を向き、口を開いた。


「まま、くいくいしてもおきない。ぱぱ、どーしょ」


こてん。と首を傾げ、俺に尋ねてきた。


仕方ない。俺が作る以外になさそうだ。


娘に優しく自分が作ることを伝え、ぬいぐるみを渡し、早速台所へ駆け込む。


冷蔵庫をがばりと開け、最初に目についたのが卵。さっ、と頭によぎったのがオムレツ。


ひき肉と人参、玉ねぎも出し、卵を割り、味付けを薄めにつける。


あらかじめ温めておいたフライパンに油と卵を流し込む。久しぶりにやったが腕は落ちていないようだ。

卵を破かないよう慎重に料理していく。


「いい匂いね」


嫁が起きたらしく、台所に入ってきた。

丁度盛り付けをしていたところなので嫁にも手伝ってもらう。


「できたよ」


白い皿に盛り付けられたオムレツはほかほかと温かい湯気を立てていた。

配膳を整えたところで娘がやってきた。


「おむれつ、おいしそー」


今日も幸せなひと時が過ぎていく。

妖の掟→



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作者名: | 作成日時:2017年9月18日 11時

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