108話 ページ8
皆の前で、突然キスをされ赤面する独歩。
「な、ななっ……」
「顔真っ赤になった」
「そ、それはお前が…!」
今度は抱きしめられ、また最後まで言えなかった。独歩はゆっくりと背に手を回した。
「…忘れててごめん」
「いいよ、思い出してくれたから」
周りには皆いて、見られているのに、独歩は気にならなかった。それ程までに、今はAのことしか考えられないのだ。
「独歩、俺はさ…漫画みたいにいい事言えないから、ストレートに言うね」
「うん」
手が震える。
体温が上がる。
心臓の鼓動が、早くなる。
Aは独歩を離し、若干震えている独歩の左手をまた握った。
「観音坂独歩さん、俺と……結婚してください」
そう言って、薬指に指輪をはめるA。
独歩は嬉しさのあまり、返事よりも先に抱きついた。
「っと…独歩?」
「っ……俺、Aと結婚します!」
涙を流しながら、ギュッと抱きつく独歩。Aはその頭を撫で、旋毛にキスをした。
「幸せにする」
抱きしめ合う二人の甘い雰囲気とは真逆に、見ていた者たちは……
「うっ……無理…ありがとう…」
「先生…」
(一郎のダボみたいになってやがる…)
「入間っち〜!!失恋したもの同士、今日は飲もう!」
「ちょ、何故それを知ってるんですか!!」
「Happyend、だな」
「あぁ、だな。
つかお前…ハーフか?」
「む、あぁ、小官は日本とアメリカのハーフだ」
「俺は日本とイタリアのハーフなんだわ、よろしくな」
「なるほど…それでその筋肉か、良き軍人になれるだろう」
「軍人?」
「ちょ、アルは僕のだから口説いちゃダメだよ!?」
カオスを極めていた…が、それも自分たちの‘結婚式’らしいと、Aは笑った。
「A?」
「独歩、ご飯食べよっか。
碧棺さんと紅華さん以外の皆で、作ったんだ」
「あ、うん!」
独歩とAは、皆の輪の中に混ざる。
そして、お酒を飲み、様々な料理を口に運び、談笑した。
一二三にからかわれ、銃兎に脅され、寂雷に泣かれ、左馬刻はそれをなだめ、理鶯に祝われ、アルベートに喝を入れられ、紅華にからかわれる。
そんな楽しいひと時を過ごした。
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銀河(プロフ) - 最高でした。今までにない感動をありがとうございます。 (2020年6月26日 0時) (レス) id: fef2df4640 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - hrmk。さん» 画面が割れそうな程の評価、ありがとうございます。ファンと言って頂けて嬉しいです、励みになります。これからも沢山評価を押して頂けるような作品を作れたらいいなと思っています。応援、本当にありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: ca589b7d76 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 一つひとつお話を見る度に評価ボタン連打してました。画面割れるかと思いました!!笑。本当に最後まで素敵なお話でファンになってしまいました!!これからの作品も楽しみにしてます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - ロトさん» みんな幸せにしたいハピエン厨なもので…お気に召していただけたようで良かったです。こちらこそ読んで下さりありがとうございます。これからも、より楽しんで頂けるよう頑張ります。コメントありがとうございます。 (2019年9月26日 6時) (レス) id: ca589b7d76 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 先日、男主×独歩に惹かれて一気読みしました、とても面白かったです。 三角関係等は幸せにならないキャラクターがいて少し苦手なんですが、一二銃になることでみんな幸せで私でも楽しく読んでいけますありがとうございます!長文失礼しました。 (2019年9月25日 23時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心春 | 作成日時:2019年9月9日 8時