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｢智洋っ｣
｢あ、大毅｣
｢�霤沈萓犬�らひと雨だけありそうやから伝えてって言われてんけど…雨のが早かったな｣
｢青が滲んでき、っう、あ…！｣
ぼーっと雨を見上げていたら、バランスを崩してしまったけど落ちる心配は大毅が取り去ってくれた。
抱きとめるように支えてくれた胸におさまったまま、二人で雨を見て、やがてどちらからともなくありったけの絵具を取り出し、並べる。
｢考えることは一緒やな｣
｢ふふ、とびきり大きいの、描こうや｣
見上げればいつでもそこにいる、空。
晴れた日には澄み切った青、曇れば重たい灰。
一瞬たりとも同じ色は無いし、二度と同じ空は見られない。
少し気まぐれ、だけどそんなところが愛おしい。
人々の母とも言えようこの大空に、俺ら空塗りが心を込めて表情をあげるんや。
｢悲しい涙のあとは、満開の笑顔、つって？｣
｢嬉しい涙かもしれへんで？｣
｢ひひっ、そうやな！｣
この雨が上がったら、さっきよりも青青と輝く空を届けよう。
大きな虹は、俺らからのプレゼント。
受け取ったあなたにも、満開の笑顔が咲きますように。
end
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作者名：杏子 | 作成日時：2017年12月30日 14時
