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｢最近ようお店出てますけど、何か気になることでも？｣
｢ん？別にないよ｣
｢そうですか…お一人で大丈夫ですか？俺か崇裕…｣
｢一人でええよ、大丈夫〜｣
あ、でも…と大毅さま。
そのままスッと立ち上がり、店の方へ向かっていくから俺も後をついていく。
クルッと振り返り、一冊の本を差し出された。
｢見て、これ｣
｢……いちご大福、ですか？｣
｢食いたい｣
｢はぁ…なら明日買うてきま、｣
｢やや！智洋に作って欲しいねん！｣
｢いちご大福を…？｣
大福かぁ…作った事ないなぁ。
どんな作り方なんやろ……あ、もう、明日と言わずすぐ作り始めたい！
ひとまず材料は、っと…
｢大毅さま、その本貸し……あ！これ！お店の本やないですか！！｣
｢あ、バレた｣
｢やから最近店に入り浸ってるんですね？！｣
｢本っておもろいやんかぁ…｣
｢やとしても商品です！｣
｢ええやん！どうせ客来ぉへんねから！｣
｢仮にも店主が、自信たっぷり言うてええ台詞やないでしょお…｣
もう、困った店主さんやなぁ。
なんてね。大毅さまは俺の全てやから、本当に困ったとは思ってへんけど。
｢…作ってくれへんの？｣
｢作りますけど…｣
｢やった！じゃあその本智洋にあげる！いっぱいお菓子の作り方書いてあんねん｣
｢はいはい、ありがたくもらったげます｣
｢へへ、明日楽しみしてるな｣
じゃ、部屋戻るわ〜って自室に向かった大毅さまの背中に｢おやすみなさい｣と声をかける。
大毅さまがお休みしてるところは見た事ないけど。
｢さて…俺もお部屋戻ろ｣
湯のみと小皿を片付けて、大毅さまから頂いた本を胸に自室へ。
からりと戸を開くと崇裕が歌詞カード片手に寝転んでいた。
｢おう智洋、ほれ、借りれた｣
｢ほんまや。のんくん喜んでくれた？｣
｢そりゃあもう。目ぇ輝かせて頬張ってたで｣
｢ふふ、目に浮かぶわ｣
四季のみんなや大毅さまはそれぞれ部屋を持つけど、崇裕と俺はふたりでひと部屋。
部屋の空きがないってわけやない。なんなら余るほどある。
それでもふたりで同じ部屋を使っているのは、俺らが水晶と同じやから。
そう。俺らも、元はひとつやった。
その時は名も無く、ただただ大御神に使役する者で。
大毅さまが話し相手でも造ろうと、気まぐれにソレをふたつに分けて今の形……崇裕と智洋に成ったんや。
やからこれは、実質ひとりでひと部屋を使っているのと同じ意。
崇裕と離れるのは、身体が半分離れるのと一緒やから。
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杏子(プロフ) - ebifuraistar73さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです！また少し待たせてしまうかもしれませんが、ゆっくり更新していきますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 14時) (
レス) id: f0bc5c27fe (このIDを非表示/違反報告)
ebifuraistar73(プロフ) - 待ってました！公開する季節、ぴったりですね。ありがとうございます。 (2018年3月13日 6時) (レス) id: 747d322e1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子 | 作成日時：2017年9月6日 19時
