第2話 いざ最終選別へ ページ4
灰青色のおぼめく朝の最初の光が、僅かにあいた障子の隙間から煌めく
光の反射する鏡の目の前に、桃色の少女が一人
「よし……」
少女は髪を結び終えると、寝間着を脱ぎ
ピンク地に大小の桜文様の振袖に、紫色の袴に着付ける。
腰には蜜璃から受け継いだ日輪刀。
断崖から落とされても伸し上がる覚悟だ。
最後にAはブーツの紐を占めた。
玄関を開けると、常にAを待っていた蜜璃の姿が。
「帰ってきたら、また一緒にいちご大福食べましょうね!!」
蜜璃は笑った。
目に涙が溜まっているのを悟られぬよう、髪で隠れるくらいの角度で。
「もちろんです。また美味しいお店、紹介してくださいね」
笑顔で手を振りながら走るAの姿が見えなくなるまで蜜璃は笑った。
見えなくなると、不安げに眉を下げた。
「Aちゃん、大丈夫かしら……」
Aは強いし真面目だ。しっかり鍛錬に励んでいる。だから、大丈夫。
そう自分に言い聞かせ、蜜璃は屋敷へ入っていった。
▽▽▽
「わぁ……」
走っているうちに、満開に咲き誇る藤の花を見つけた。
思わず足を止め、周りを見渡す。
「綺麗……」
藤の花が咲く時期なのだろうか??私は花に詳しくないから全く分からない。
ただ、一面に広がる紫色が綺麗だとは思った
垂れ下がる様に咲く藤の花を指で撫で、辺りを漂う蜜のように甘い香りに浸った。
「こんにちは」
「こ、こんにちは……」
優しい香りに癒されていたら、後ろから声がした。びっくりして声が出そうになったが抑えた。
慌てて後ろを振り向くと、水色をベースに白い雲が描かれた羽織。そして頭に赤い斑点が彫られた狐の面を付けた少年が立っていた。
刀……を下げているし恐らくこの人も最終選別に行く途中なのだろう。
「俺の名は竈門炭治郎です。よろしく!」
「私の名は湊河Aです、よろしくね。」
一応自己紹介を済ませる。お互い15ということで敬語は外す事にした。
「それにしてもすごいな。咲く時期じゃないのに」
「え、そうなの?」
「あぁ、一般的に藤は4月下旬からのはずなんだが……」
幼児のように目を丸くさせたAに炭治郎は優しく教えてくれた。
「あ、見えてきたな!」
「わぁ、たくさん」
階段を登り終えると、上には既にたくさんの人が集まっていた。
蝶を見つめる少女や目付きが少し怖い人、金髪頭の目立つ人、他にもたくさんの人がいた。
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ゆう(プロフ) - すきです!!?!!、!!!!!! (2020年3月25日 16時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» 駄作ですが嬉しいです(*^^*) おかげで更新頑張れます! (2020年3月23日 17時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - このお話好きすぎてやばいです!!きゅんきゅんします!!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
MIKA(プロフ) - ゆうさん» わぁぁぁありがとうございます(泣)コメント嬉し過ぎてにやけ止まりませんほんと、素敵なコメントありがとうございます!これからもこの作品をよろしくお願いいたします(*^^*) (2020年3月23日 0時) (レス) id: dd92ad6562 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - どきどきします>_<すてきです!! (2020年3月23日 0時) (レス) id: 9e2e290c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIKA | 作成日時:2020年3月21日 2時