転校19日目 ページ19
貴女side
『冨岡先生!!』
体育の時間が終わり、3限目、4限目も終わった。
つまり、今はお昼休み。
最後までお礼が言えなくて、ずっとモヤモヤしてたんだ。
『先生!今日の体育のとき、ありがとうございましたッ!お礼ってわけじゃないんですけど、これ!!どうぞ!!』
バッとあんぱんを差し出す。
が、なんと…
先生もあんぱんを持っていた…
『被った?!』
冨岡「ああ、そうみたいだな。」
サラッと流されたけど、結構ショック…
『うう、すいません…』
私はあんぱんを背中に隠した。
すると、先生は私の背中に手を伸ばし、隠したあんぱんを取った。
『え、え?』
私が混乱していると、先生は体育のときの優しい顔になった。
冨岡「Aが俺のために買ってくれたものだ。ありがたくいただく。」
『え!でも…!』
納得できない私に、先生はご自分のあんぱんを差し出した。
冨岡「実は、これは季節限定のゆずあんぱんなんだ。1番程良い味と値段だから、最近ずっとこれを食べていた。だから飽きている。良ければ交換してくれないか?」
『えっ!』
いいのだろうか。それではお礼にならないのではないか。
でも、先生がそういうのなら、貰ってもよいのだろうか。
グダグダ考えてしまう。
『え、えと…あの「キーンコーンカーンコーン」
冨岡「なったか。俺は授業があるから行く。」
『え、あ、はい…』
結局、何も言えなかった…。
ダメだな、私…
そう思いながら、教室に戻った。
────────────────────────
『あれ?』
私の机の上に、紙袋が置いてあった。
『ねぇ、カナヲちゃん。私の机にこれ、置いた?』
カナヲ「ううん?置いてないよ?」
『そっか…ありがとう!』
誰からだろう?そっと中を覗いてみる。
すると、中には手紙、そして…
昼休みに先生が渡してくれた、ゆずあんぱんが入っていた。
手紙には何て書いてあるのだろうと思い、開いた。
そこには、綺麗な字だけれど、たった3文字しかない言葉があった。
“やる。”
『あははっ』
先生、不器用だなぁ〜!
なんで“やる。”だけなのよ(笑)
こんなのされたら、ドキッとせずにはいられないじゃん!
私は紙袋をぎゅっと抱きしめて、独り笑った。
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楓(プロフ) - 壁|*´・ω・)お久しぶりです....!!!! (2020年4月3日 0時) (レス) id: f4b1898081 (このIDを非表示/違反報告)
わんこの神。(プロフ) - 絵理奈さん» やっぱいたほうがいいですよね〜…ネタも尽きてきたので、そろそろだそうかな… (2020年1月20日 16時) (レス) id: b318fb9991 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 悪女ぶりっことか出さないのですか?逆ハーの定番は悪女も現れて、一回信用無くすってあるけど (2020年1月19日 7時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
わんこの神。(プロフ) - ?チョコミントさん» OKです!じゃあ、炭治郎との書きますね!(*^▽^*) (2020年1月16日 17時) (レス) id: b318fb9991 (このIDを非表示/違反報告)
?チョコミント(プロフ) - 炭治郎とのお話を希望します! (2020年1月14日 19時) (レス) id: 3d86cb38de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わんこの神。 | 作成日時:2019年10月1日 21時