12話 ページ14
シルクside
俺は、久しぶりに懐かしい人物を見つけた。それはuuumの事務所前。ウロウロしてた子のそばに駆け寄ってきたやつ。
「ねぇ、シルク……さっきのって…」
モトキが一番にそう口を開く。あぁ、そうだ。紛れもない、彼女だ。
「絶対に優奈、だよな……」
マサイも言う。俺たちは今、控え室へと歩いて向かっている途中だ。
「……あぁ、多分……いや、絶対にそうだろうな」
高校1年の二学期途中まで同じ中学、高校だった。だが、転校してしまった。……いや、俺達がそうさせてしまった、と言うべきなのだろう
「…大人に、なってたね」
ンダホの言葉に俺は同意してしまう。確かに、顔つきも、髪の長さも昔とは全く違った。けれど、変わらないものが一つだけあった
「なんか、すげぇ変わってたよな。昔の面影なんてない…」
ぺけの言葉に俺は思わず反応してしまった
『変わってねぇよ。真っ直ぐな目で、正しいと思うことを貫き通す心は』
本当に、変わってねぇよ。むしろ、あの時の俺達はどうかしていたんだ。もう一度、優奈と話がしたい。
「なぁ……uuumに来たってことは、YouTuberってことだよな…？」
ふと口を開いたマサイ。……そうか、！
「コラボ……！！！！」
その手があったか！そして俺らは早速コラボをしたいとマネージャーさんに言うと、確認をとってまいります、と優奈と女の子の居る控え室へと向かっていった
「コラボできるといいね」
『おう…』
また、あいつと話したい。謝りたい。許して欲しいなんて言わねぇ。ただ、謝りたいだけなんだ
「ほんと、俺達馬鹿だよね」
…………
『だから、ちゃんと正面から話してぇんだ。』
そういうのと同時にマネージャーさんが戻ってきた。こちらです、と言われ、先を歩くマネージャーさんに俺達はついていった
「こちらです。ごゆっくりどうぞ」
小さく会釈をしてマネージャーさんは去っていく。そこには”チェーシェエルミタージュ様”と書いてある控え室があった
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