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私の後輩は、俗に言う超能力と言える程に心や行動を言い当てる力を持っているのかもしれない。
まるでシナリオを全て理解しているような物言いであるのか…それとも本当に抜け目のない優秀な後輩なのかもしれないが…
「先輩。コーヒーがお好きなのですよね?スイーツも用意したので一緒にどうですか?」
「明日はトントンさんから沢山書類を渡されると思うので早めに残りの書類も終わらせてしまいましょう。」
そんな優秀な後輩である彼に比べて私は正直彼に助けてもらってばかりの毎日である。
1つ上の先輩であるはずなのに仕事のミスだってまだ耐えないし、できない事だって沢山ある…
本当に情けない先輩だ。
『いつも有難う。こんな出来損ないの先輩である事が本当に申し訳ないくらいだよ。』
「…いいえ。貴方は出来損ないな人ではありません。」
そうだ。彼は優しすぎるのだ。
自分のミスのせいで一緒に怒られる事だって多いのは間違いない。
きっとストレスも沢山溜まるはずなのに、彼は嫌な顔一つせずに熱心に後輩として背中を支えてくれるのだ
「私は貴方の後輩として、何処までも先輩にお供します。」
本当に驚く程に優秀すぎる後輩をもったものだ。
もしかして、それってプロポーズ?って聞くと珍しく顔を真っ赤にしてしまうところだって…
『よし!ショッピ君にとっても自慢な先輩になれるように私も頑張らないとだね!!』
あっもしもね、自慢の後輩である貴方の身に何かあったら。
大切な後輩のためならこの命を犠牲にしてでも守り抜いてみせるから!
なんてね、ちょっと憧れていた台詞だからそんなに驚いた顔を向けないでね。
…貴方の先輩として、少しだけカッコつけてみたかっただけだよ。
『ショッピ君はもっと表情筋をつけるべきだよ!こんな感じで…』
「いででで…そんな頬を引っ張らないでください。」
さて今日こそは、あなたにとって立派な先輩になれるだろうか。
__偽りの後輩__
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なな - ・・・なんか悲しい気がします。主人公が幸せになれますように。 (2021年6月13日 11時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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