【wrwrd!】偽りのお姉ちゃんでも愛はある。番外編【kn】

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『…ねぇ。誕生日プレゼント、何か欲しいものとかある?』



「………え?」




それは何気ない日、いつものように2人で小さなテーブルを囲いカレーのお皿を並べて食べていた時にふと思い立ったため聞いてみた質問であった。


お姉ちゃんとしての予想では「ゲーム！」などのまさに中学生らしい返答が来ると思ってはいるが…


思いの外シッマからの返答が来ず、あまり似合わない沈黙の時間が流れてしまったため





『…特に欲しいものがなかったら、勝手に選んでくるからいいけど。』



「…………。」





そんなに難しい質問ではないと思うが、一応の助け舟は出すべきであると思い"勝手に選んでくる"とそう一言を付け足したが…

待ち時間を含めシッマからの返答は自分の予想とは全く違うものであった。





「何でもええで!姉ちゃんが選んだものでええから!」





"何でもいい"



それは、想定とは遥かに違った返答であり。

本当に何でもいいのかと改めて質問をしなおしても、意地を張るかのように「何でもいい」の一点張りであり、結局は欲しいものを書き出すことは無理そうであった。





『……わかった、要らないものでも文句言わないでね。』


「おん!楽しみにしとる!」




素直に欲しいものを教えてもらえると思い込んでいた自分のミスではあるが、まだシッマの誕生日までは時間があるし…

少しずつ選択肢を絞ってから聞き出せればいいかな、なんて食べる手を止めては1人考え込むようにそう思っていると




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「姉ちゃんは、何が欲しいん?」


「誕生日プレゼントやって、何が欲しいん?」




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今日は思いもよらない質問と返答が来る日で調子が狂ってしまいそうだ。

まさか、シッマからプレゼントについての質問が来るだなんて…

自分は驚きのあまり、咄嗟の言葉が出て来ず「何でもいい」とか「別にいらない」と答えるはずであったのに…





『コネシマが選んだ、ペンが欲しい。』





気付いた時はもう遅いし、口を塞ごうとも手遅れであったのだ。

姉弟の仲を深めすぎない為にも私はまた嘘をつかないといけないはずなのにね…

それよりも、どうしても本音が先に漏れてしまったのであった。





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弟が喜んでくれるプレゼントを用意するのはお姉ちゃん、大の得意だから任せて。

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