屋上人生記 【神代ﾙｲ】【prsk】

《第2章》無精卵 ページ16

自室に戻り、もう一度母の”夫”について考える。

母は病気で、家の外に出ることはほとんどなかった。なのに、いつナンパされたんだろうか。
やはり、妄言なのだろうか。
頭が少し痛くなってきたので、ベットに寝転ぶ。

横になると、頭が楽になった。

『あ…』

そうだ、思い出した。

母は稀に、外出することがあった。
1度、何をしているのだろうと思い、あとをつけたことがある。
電柱に隠れながら静かに静かにあとをつけた。探偵になった気分で、少し、ワクワクしたのを覚えている。
母が向かっていたのは、薄暗い路地裏の奥の奥にある自販機。

母は自販機につくと、ポケットからタバコを取りだし、ライターで火をつけた。

父とおなじ。

父が生きていた頃、父も同じようにその自販機の前でタバコを吸っていた。

母の頬にはうっすらと水滴が垂れていたと思う。


まだ続けてたんだ……

でも、ひとつ疑問が浮かぶ。
母は父のことを酷く愛しているのに、次の恋にいったのだ。
しかもあんなにデレデレになってる……。

父を忘れられない母をあんなに惚れさせた”たつき”という男は一体何者なのだろう。
相当なイケメンか、とんでもなく金持ちか。それか、本当に優しいいい人なのかな。

一度会ってみてもいいかもしれない。

会ってみてから、騙そうとしているのか、本当に好きなのか確認すればいい。
”たつき”が存在しないのならば、母の妄言として片付けられるし。

母に頼めば会わせてもらえるかな？

母のためにも、会ってみるべきだと思った。




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皆様お待たせしてしまい誠に申し訳ありませんでした！！

これからはじゃんじゃん更新するんでよろしくお願いします！

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