月の少女は争奪少女

第97話 ページ10

ＮＯside



犬｢へ！生意気な！！柿ピー！こいつは俺がやる！｣

柿｢言うと思った…｣

犬｢いくびょん！ライオンチャンネル！！！｣



犬は懐から鋭い歯を出し、それを自分に付ける
すると見る見るうちに姿を変え
ライオンの姿へと変化していた

だが、その様子に驚くこと無く見つめる雲雀

その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいる




雲｢ワォ子犬かい？｣

犬｢うるへー！アヒル！！！｣


物凄い勢いで雲雀へ接近し、飛びかかる犬


雲雀は即座に自分の足元にあったトンファーを蹴りあげ、手に持つとそのまま殴り掛かる


犬｢ひょい♪｣

だが、その攻撃はあっさりと避けられたと


思ったが









クルッ






ガッッッ！！！






体を回転させ、勢いよく空いていた左手のトンファーで犬を殴り飛ばす

その攻撃は見事にクリーンヒットした



犬｢キャンッ！！！｣





そのまま殴り飛ばされた犬は抵抗する術もなく
窓の外へと吹き飛んで行った




柿｢犬！！｣




雲｢次は君を…

咬み殺す｣


とてつもない殺気に思わず息を飲んだ千種




が、









その時









｢隙あり…です！！！｣









バキッ！！！






柿｢ッ！？！？｣


突如横から聞こえた声とともに、
千種の横っ腹には強烈な蹴り攻撃が繰り出され
犬同様、その衝撃に耐えられず窓の外へ吹き飛んで行った






雲｢！！｣


自分の邪魔をしたのは誰だと一瞬不機嫌になった雲雀だが…聞こえた声と自分の視界に写った姿に
思わず目を見開いた



雲｢A……？｣






階段の上にいる見慣れた少女の名前を呼んだ


その声に反応し、振り返った彼女の顔は






貴｢雲雀さん……！！よかった…！｣






瞳は潤み、今にも泣きそうな顔をしながらも
安堵と喜びの表情で笑う光月だった


普段表情をあまり見せない光月が
もしかしたら初めて雲雀に…



大きく感情を見せた瞬間だった







雲｢君…なんで…｣

階段を降り、雲雀の元へかけて行く光月

貴｢心配したんですよ…！？雲雀さんが敵のアジトに行って帰ってこないと聞いて、

でも、よかった…生きてた…｣


思わず雲雀の手をギュッと掴み、握った光月

だが、雲雀の心の中では何故重症を負ったはずの光月がここにいるのか？怪我は大丈夫なのか？と疑問が浮かぶが、

光月の思わぬ行動によりそれは吹っ飛び


しばらく固まった後、ハッと意識を戻した









雲｢………はぁ…認めるって怖いね｣ﾎﾞｿｯ←

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