大切な人の席【江戸川乱歩】

27席 ページ47

(前回からどう繋げるかを考えすぎてここまで来てしまいました。申し訳ありません。一人暮らしの準備とかで、不定期の更新になります…)
乱歩side

日が傾いて黄昏時、僕はついさっき解決した事件に不満を持っていた

今日の事件つまんなかったのだ

まだ子供と遊んでいた方が楽しかったよ！

何なの？！本に書いてあるトリックをそのまま使うとか

「面白くなーい！」

「僕は面白かったよ。読んだことのある本だったから、実際だとこうなるんだと思った」

苦笑いしながらAは、答えてくれた

苦笑いしたのは僕の気持ちがわかっているからだ

「おいおい…事件に面白いもクソも無いだろ」

呆れた目をして箕浦くんが僕たちに視線を送る

僕は、そんな視線を無視して、ある事をボーっと考えた

やるならもっと面白い事件とかにして欲しいよね、ほんと

皆もそう思うだろう？

「それにしてもだ、今回も助かった。ありがとうな」

彼は、そう云い残して自分の職場へと帰って行った

───
「さて、僕に叶えて欲しい願いがあるんだよね？」

抑えるはずのニヤけが溢れて顔に出てしまう

Aの口から僕に叶えて欲しい願いを聞きたかった

「やっぱいい」

「それ無し。ほらはーやーくー！」

「……怖い夢見たんだ。今日、と、泊めてくれる？」

……

目を逸らしながらそう云うAをじっと見つめる

ちょっと斜め上の要求で頭が真っ白になった時、僕は不安になった

別にお泊まりは大丈夫…厭、大丈夫ばないけど

今、部屋綺麗だったっけ？

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