大切な人の席【江戸川乱歩】

21席 ページ38

Aside

「僕達、仕事があるから早く用件終わらせて戻りたいんだけど」

「え？え？付き合ってるんですか？」

目に光無くなったんだけど。乱歩は乱歩で、相手睨んでるし

修羅場だ…ここが地獄だったんだ

「でも！俺の方が！」

「用件云わないなら帰る」

あーれー

なんか叫んでるけど、これから乱歩にどう云えばいいのかでいっぱいで聞こえない

あっ待ってお金。お金ー！

あーもー探偵社じゃないもん！路地裏！

やっ！壁ドン！キュン！…にならないんだけど？喉ヒュン！だよ

「A」

「ハイ」

「本当に許さない」

「ヒィ…ご、ごめんなさいィ、そこをなんとか」

これは僕が悪い。1人で何とかしようとした僕が10割悪い…悪いけど、頼り過ぎるのも……

萎縮してる僕を見てなのか知らないが、呆れ顔をして考え込んでいる

「それじゃあ、接吻して？」

「おっと……？？」

僕から？恥ずかしくて溶けるんだけど？いいの？？容赦なく溶けるぞ？溶けて排水溝から逃げるぞ？

「ほらはやく」

「無理無理無理！溶けて死ぬ！」

「…んじゃあほっぺは？」

ほぉっっぺぇぇぇは……腹括るか

てか、最初から逃げ場は無いんだし

「目ェ瞑っていてな」

「はいはい」

俗に云う、触れるだけのだけどこれでいいかしら？顔から火が出そう

え…なんか絶妙な顔してるけど

「まっいいか」

「善かった…」

「次も頑張って」

次、溶けて死ぬのが確立した

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