大切な人の席【江戸川乱歩】

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Aside

「わ、態々来て下さりあありがとうございます」

「いえ、誘ってくれたので」

一応来たとは云えない

ん？昨日の買い物？只の気分転換さ

「えっと…昨日は本当にありがとうございます。感謝しきれません」

「当然のことをした迄です。お気になさらず」

頬を少し赤らめて顔を下にやった

何だ？熱か？

「あああの」

「何でしょうか？」

「俺、貴女に一目惚れし、しまして…」

……ん？おぉ？

「つ、付き合ってください！」

バッと顔を上げた時、目が合った。めんどい奴に捕まってしまった

これはやばいぞ

「運命だと思うんです…！俺と貴女が出会ったのは、前世で約束したからで、神様が俺の犬を使って合わせたんです！」

いやまぁ、前世で契りを結んで＿って話は聞いたことがあるけど…

「ぼ…私は、そういうのは信じないので」

「厭！絶対そうです！」

火がついてきたな…どうしたものか

「やぁ！」

僕の両肩を軽く叩き、助けてくれた

かっこい…い…怒ってる。乱ちゃん怒ってる。目が笑ってない

絶対この事で怒ってるよ、何で僕に話さなかったのみたいな目で見てくるんだけど

「それで？君は僕のAに何か？」

「ぼ、僕の…？」

あーあーあー

逃げてぇ…こっから一秒でも早く逃げてぇ

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