大切な人の席【江戸川乱歩】

3席 ページ20

Aside

見渡す限り駄菓子、駄菓子、駄菓子……

まぁ駄菓子屋だからそうなんだけど

おばさんの優しい心によってラムネ(飲む方だよ)を貰った

「ラムネとピーピーなるラムネと…」

「ふ菓子もね。あとこれとこれ！もっと買お！」

昔見たいに沢山の駄菓子を頼んで袋に入れてもらう

これだけ買っても二千円行かないの本当に子供に良心的だよね

めっちゃ美味なお菓子、乱歩から貰っちゃった

「お金お金〜」

「あぁさっき、彼氏さんから貰ったからね。大丈夫よ」

バッグの中から財布を出そうとした時に聞いたことだった

乱歩が？払った？それより、おばさん彼氏さんって？

一瞬にして、自分でもわかるぐらい顔が暑くなった

その顔を見ておばさんも少し頬を赤らめて

「あらまぁ…こっちまで照れちゃうわぁ」

「嫌っ？！彼氏じゃないんでぇ！安心してください！(？)」

自分でも何云っているのか分からない程の速さでおばさんに云う(ついでに声も裏返ってる)

なんか、醜態晒してる気がする

「ねぇ〜話終わった？買った駄菓子持つから早く行くよ」

「うわっ」

「あらヤダ」

「離れないでね」

そう吐き捨てて、さっきより少し強めに手を握って早足で公園へ向かった

行きの時あんなに話したのに、帰りはどっちも喋らない

この沈黙がすっっごくいやだ

…乱歩の早歩きは、僕にとっては軽くジョギングしてるようなものだから疲れる

もう少し遅めに歩いてもらおうと思って声をかけようとしたら、ぶっきらぼうな声で

「なんであんなに否定したの？」

って云われる

お、怒ってる…？

4席(会話多め)→←(話と関係ないものです)

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