検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:6,520 hit

紅い季節5、兄弟の約束 ページ1

ユウの部屋に入った。


ユ「ノックくらいしてよ

藤「ユウッ!

ユ「なにー、そんな興奮して。」

ユウは何食わぬ顔でベッドへ体を倒した。

ユ「早く寝たいんだけど?」

藤「ちゃんと話してくれよッ‼」


いつもと変わらない口調で
ユウは淡々と話した。

ユ「あいつらを脅してやったの。

藤「脅す⁉、

ユ「宏光をヤった事をバラされたくなかったら
太輔の事を黙っとけって。

藤「なんでッ!」


ユ「太輔は大事な時期だろ。」

藤「そんなの関係ねぇだろ!
やったのは紛れもねえオレなんだから!」


ダンッ!

ユウはベッドの縁を思い切り叩いた。


ユ「自分の為に太輔が補導なんかされてみろよっ!
宏光がどんだけ責任感じると思ってんだよ!」


その言葉にハッとした。

藤「…。」


ユ「でかい声出しちゃってごめん、

まぁさ、おれも近いうちに、
あいつらを潰してやろって仲間と目星をつけてたからさ?太輔がヤってなくても、遅かれ早かれおれは補導されてたよ。」


藤「そんなっ、


ユ「太輔だけじゃないんだよ。

藤「ぇ…


ユ「宏光がケガさせられて悔しくて、
毎日が悶々としていたのは、太輔だけじゃないから。

藤「ユウ…。」


ユ「太輔が毎日、葛藤してるのも感じてたよ。
近頃、思い悩んでいた事も…。」


オレは本当に情けない男だった。
宏光も救えなくて…
弟にまで心配をさせていた。


藤「ごめん、ユウ…オレ…

ユ「太輔には世話になりっぱなしだったしな!
これくらいしても足りないくらいさ、


藤「ユウ…なんか変わったな。

ユ「宏光と出会えたおかげかな。

けど、本当におれを変えたのはさ…」


ユウは起き上がって真面目な顔をした。


ユ「あの日、
太輔が抱きしめて宏光の涙を止めた時、
心の底から凄えと思った。

ふたりの輝く光が凄く綺麗でさ…。」


藤「オレらの光…?


ユ「そっ、太輔と宏光の光。」


ユウはその光を思い出したように
嬉しそうに微笑んだ。

ユ「おれの心を綺麗に照らしてくれた。」

藤「ユウ…。


ユ「今夜のことは太輔とおれだけの秘密な?」

藤「駄目だ、はっきり説明し…


ギュッ、

藤「ッ⁉


オレの手を堅く握りしめた。


ユ「太輔と宏光には笑ってて欲しい。

藤「ユウ…


ユ「おれにもカッコつけさせてよ。

ふたりだけの秘密だからな、太輔。」


真剣なユウの眼差しにどうすればいいのか分からなかった。

ユ「頼む、太輔。」


オレは黙って頷いた。


ユ「サンキューな、兄貴。」


藤「ユウ…」

紅い季節6→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:藤北 , キスマイ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:KISSFM-KOBE | 作成日時:2017年10月18日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。