紅い季節5、兄弟の約束 ページ1
ユウの部屋に入った。
ユ「ノックくらいしてよ
藤「ユウッ!
ユ「なにー、そんな興奮して。」
ユウは何食わぬ顔でベッドへ体を倒した。
ユ「早く寝たいんだけど?」
藤「ちゃんと話してくれよッ‼」
いつもと変わらない口調で
ユウは淡々と話した。
ユ「あいつらを脅してやったの。
藤「脅す⁉、
ユ「宏光をヤった事をバラされたくなかったら
太輔の事を黙っとけって。
藤「なんでッ!」
ユ「太輔は大事な時期だろ。」
藤「そんなの関係ねぇだろ!
やったのは紛れもねえオレなんだから!」
ダンッ!
ユウはベッドの縁を思い切り叩いた。
ユ「自分の為に太輔が補導なんかされてみろよっ!
宏光がどんだけ責任感じると思ってんだよ!」
その言葉にハッとした。
藤「…。」
ユ「でかい声出しちゃってごめん、
まぁさ、おれも近いうちに、
あいつらを潰してやろって仲間と目星をつけてたからさ?太輔がヤってなくても、遅かれ早かれおれは補導されてたよ。」
藤「そんなっ、
ユ「太輔だけじゃないんだよ。
藤「ぇ…
ユ「宏光がケガさせられて悔しくて、
毎日が悶々としていたのは、太輔だけじゃないから。
藤「ユウ…。」
ユ「太輔が毎日、葛藤してるのも感じてたよ。
近頃、思い悩んでいた事も…。」
オレは本当に情けない男だった。
宏光も救えなくて…
弟にまで心配をさせていた。
藤「ごめん、ユウ…オレ…
ユ「太輔には世話になりっぱなしだったしな!
これくらいしても足りないくらいさ、
藤「ユウ…なんか変わったな。
ユ「宏光と出会えたおかげかな。
けど、本当におれを変えたのはさ…」
ユウは起き上がって真面目な顔をした。
ユ「あの日、
太輔が抱きしめて宏光の涙を止めた時、
心の底から凄えと思った。
ふたりの輝く光が凄く綺麗でさ…。」
藤「オレらの光…?
ユ「そっ、太輔と宏光の光。」
ユウはその光を思い出したように
嬉しそうに微笑んだ。
ユ「おれの心を綺麗に照らしてくれた。」
藤「ユウ…。
ユ「今夜のことは太輔とおれだけの秘密な?」
藤「駄目だ、はっきり説明し…
ギュッ、
藤「ッ⁉
オレの手を堅く握りしめた。
ユ「太輔と宏光には笑ってて欲しい。
藤「ユウ…
ユ「おれにもカッコつけさせてよ。
ふたりだけの秘密だからな、太輔。」
真剣なユウの眼差しにどうすればいいのか分からなかった。
ユ「頼む、太輔。」
オレは黙って頷いた。
ユ「サンキューな、兄貴。」
藤「ユウ…」
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作者名:KISSFM-KOBE | 作成日時:2017年10月18日 13時