拾陸の巻 ページ21
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「失礼します。本日はどのようなご用件で？」
部屋を見渡すと、この遊郭のトップクラスの遊女たちが集っていた。
なかなか豪華な面子だ、と私は心の中で感心した。
「本日、わっち達がお呼びした理由、和歌さんはまだわからぬのですか？」
ひんやりとした口調で言う。なんだろう、私は何もしていないのに。しいて言うならば、渉様の件か？
もしかして私に嫉妬をしておるのか？吉原中は私が大大名様に抱かれたと思っておるからな。
そう思うとなんだか馬鹿らしくなってきた。少しおびえていた自分を叱りたい。目の前の花魁達は嫉妬に燃えて私を呼んだのだ。
たった一人の男性をめぐってな。あぁ、おかしいおかしい。
ただ、ここで下級遊女の私が「ああ、渉様の件ですか？」と素直に言うのは少し味気ないだろう。
困った顔とおびえた声を作って、私は花魁に言った。
「すみません・・・・わかりません・・・・。」
花魁の美しい眉がつりあがった。怒ってる、怒ってる。ついでに口も少し動いた。間違いなく私に強い憤りを感じている。
嫉妬に燃える花魁を見ると、笑いをこらえて顔を作るのが大変だ。
「あなた、夜見世の時お客が入ったでしょう。それが大大名のお子、浦田渉様なのではないかと吉原中で噂になっているのよ。」
今度は別の花魁が口を開く。やっぱり、と私は心の中で笑った。
私が今ここで、「はい、そうですけど。」と認めたらすぐに改易やらなんやらが始まるだろう。一応否定しておくのが筋か。
いや、それだと後にばれた時に大変だ。かまをかけて花魁どもの様子をうかがおう。
「あなた方はどうなのですか。私が本当に浦田渉様に抱かれているとでもお思いなのでしょうか。」
正直、この問題は半分正解で半分間違いだ。
私は渉様に抱かれてはいないが、渉様とお部屋に入ったことも、お話をしたのも事実だ。
だが今これを花魁どもに話しても信じない。渉様が直接吉原で弁解するか、すべての事実をひた隠しにして否定するか、潔く認めるか・・・・。
どっちにしろ、この状況を抜け出さないと駄目だ。話を早く切り上げて、渉様が再び訪れるのをまとう。
というか、どっちにしろこの話はすぐに渉様の耳に届きそうだがな。
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イチゴミルクキャンディ@サブ垢(プロフ) - PE@みたらし団子バカさん» わー！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年8月18日 19時) (
レス) id: e98fc17c66 (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - 更新頑張ってください！ (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - これは私の好きな種類の話だ！ (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
いまりちゃん - もでらーと。さん» ありがとうございます！！（パソコンから返信しています。）そしてそしてもでらーと。様は様々な小説を書いていらっしゃるのですね！お星さまが坂田さん色で憧れます（笑）更新頑張ります！ (2019年8月3日 22時) (レス) id: 42f8b00619 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - おもしろいです…！私、歴女&crewなので超嬉しい組み合わせです！更新楽しみに待ってます！ (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イチゴミルクキャンディ | 作者ホームページ：プロ野球
作成日時：2019年7月20日 20時
