未題

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……"依存"。


「安達さんには奥さんがいるのに、私は安達さんがいないと全然ダメだった。


このトレーナーのお仕事もうまくいかないの。

例えば安達さんがオフだったら、私は何にも手につかなくてね、怒られてばっかりで。


逆に安達さんがそばにいてくれたらなんでもできちゃうくらい、安達さんがいるといないとでは全部違ったんだ。ほんと、ズルいよね、私」



……何がズルいんだろう。



「安達さんへの想いは断ち切れたはずだったのに、安達さんがいなきゃダメだなんておかしいよね？

安達さんは優しいから、俺が支えるよって言ってくれたんだよ。

それにわたしと安達さんの関係は、……安達さんの奥さんも知ってるの。

やましい関係ではないって安達さんから奥さんに伝えてくれてたんだ。奥さんも理解してくれてるみたいだし。

……私、その事実に傷付いてるの。ふふ、やっぱりおかしいでしょ？」



……何が、おかしいんだろう。




「あ、もちろん本当にやましい関係ではないんだよ？

その、キスとか、そういうの……全くしてないから。

……いっそのこと、不倫だって分かりやすい関係まで堕ちてしまえたらよかったのにな……とか……



………ｯ、由伸？」





18『もう、……いいです』





……Aさんを思いきり抱きしめれば、思ってた以上に細くて焦る。




18『僕じゃダメですか』




「えっ、と、あの」




18『僕は、絶対にAさんを傷つけたりしない』




「……由伸、」




18『僕が、支えますから。絶対に離しませんから』



「……」




18『……僕が、Aさんの傷も荷物も全部背負いたい』




「……ｯｯｯ、」




・



・



・



4『……由伸、気持ちはわかるけど俺らの存在』




18『……あ、すみません、……えー、っと、……


……あ、金メダル』





19『お前にとっての金メダル、そんな軽いんか』




18『……Aさん、どうぞ』




「……ありがとう。由伸、おめでとう」




18『……はい』




……もう、絶対に、Aさんの辛い顔は見たくない。

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