未題 (ページ28)

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side 19

4『ああーーーーあーーー』

19『どうしたんすか』

4『いやー、俺、そんな頼りないんかなーって』

……Aさんが安達さんに依存しているということを、Aさんは周平さんに隠していたらしい。

4『俺が聞いてたのは安達さんが好きだった、でも周平に話したらすっきりした、もうこの想いは断ち切った……って、それだけや。
まさか……1人で苦しんでたのに俺は何もできんかった』

19『……Aさんなりに、周平さんに迷惑かけまいとしてたんじゃ』

4『それじゃあ"しんゆう"の意味ないやんか……！

俺はAの苦しみを理解したかったし、何かできることがあればしてやりたかった』

周平さんの気持ちは、分からなくもない。

確かに親友が大事なことを隠していたら俺も傷付くと思う。

だけど。

19『全てを理解することだけがしんゆうやないって、俺は思います』

4『……は』

19『全ての選択を、しんゆうがした選択を、間違ってなかったで、それでよかったんやでって最後に認めてあげる相手こそ、しんゆうやと俺は思います』

4『……』

19『Aさんは、1人で解決する道を選んだ。

まあ……俺らのせいで喋る羽目になってしまいましたけど。

……それでもAさんは進んでる。進み続けてる。

それを最後に頑張ったなって言ってあげられるのは、俺でも由伸でも安達さんでもなく、周平さんなんやないんですか？』

4『ｯ､』

19『俺、正直動揺してますけど……周平さんはそうやなく、Aさんのためになりたかったってそれが1番に出てる。

それが答えなんやないかなって、思います。

まだ、Aさんは道を迷いながらも前に向かって歩いてる。

……待ってあげられるのは、周平さんだけですよ』

4『………そやな、泰輔…………ありがと』

19『いや……生意気言ってすみません』

4『ええねん、めちゃくちゃ救われたわ』

……みんなが、後悔のない道を進めますように。