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｢う、うまい……甘い…｣
ゼリーに包まれたベリーがつやつやと輝いていて可愛い。
｢感想浅いね｣
｢…じゃあ松村くんは食レポできるのかな？？｣
｢この生クリームの硬さ、ちょうどいいね。フォークを入れた時のスポンジの柔らかさと倒れないバランスもいい、あと甘すぎないのもクリームと混ざってちょうどいい｣
｢なんかくどい｣
｢くどかないでしょうよ別に｣
あ、写真撮るの忘れた、と気付いた時にはもう3口食べていて、あまり綺麗ではなかった。
｢松村くんさ、意外と面白いよね｣
｢意外とってなに｣
｢あ、すみません｣
｢謝られても｣
｢それ、Aさんもだよね。�眞呂盡世辰討燭韻匹�｣
｢ありがたいのかな｣
あーあ、食べ終わっちゃった。
毎回思うけど、カフェの一切れのケーキは美味しいけど満足はしない。少ないから。
食べ終わったから持て余すようにアイスコーヒーを啜る。
松村くんも、食べ終わったみたいだ。
｢慎太郎さん、と喋ってこなくていいの？｣
｢あーうん。別に、何回も来てくれってうるさかったから黙らせるために来たようなもんだし｣
｢辛辣〜〜｣
｢…Aさんこういうとこ好き？｣
｢うん、ひとりじゃ行かないけどね。一人で行くとこはだいたいマックだからね。｣
｢マック行くの｣
意外なんだけど、って松村くんは爆笑してる。
｢行くでしょマック｣
｢行くねマック｣
｢松村くんいつも何頼む？｣
｢テリヤキが多いかも、Aさんは？｣
｢私ビッグマックかダブチ｣
｢…マジ？｣
｢マジ｣
｢じゃあこのケーキ絶対足りてないでしょ｣
｢だから言ったじゃん私ホールケーキ食べるって｣
｢あー言ってたわ｣
大口を開けて笑われたので、なんだか私も面白くなって笑った。
｢はー、Aさんとここまで楽しく話せるようになるとは思ってなかった｣
いつの間にか時間は経ってて、アイスコーヒーの氷もすっかり溶けきって薄い茶色の液体が底に溜まっていた。
｢私も。一線引いてくるタイプだからさ｣
｢人のこと言えないじゃん｣
｢私は来る者拒まず去るもの追わずなのよ｣
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作者名：春野 | 作成日時：2021年12月10日 21時
