第八話 ページ8
- you side -
パキンッ
私がプラスチック製のおもちゃの包丁に
触れた瞬間、
そう音を立てて、崩れるように壊れてしまった。
『....え？』
「...！もしかして、『個性』の発現...？」
バラバラと手から落ちていく破片。
私の、個性？
「Aちゃん、怪我、ない？
多分、個性発現したのかもね...、」
個性、発現。
個性は、親どちらかの個性、
あるいは、複合的な個性を宿すことが多い。
私の父は、生物を物理的に破壊する個性。
母は、全てのモノを一日前に戻す個性。
この場合、父の個性が私に
引き継がれたのだろう。
仁王立ちの状態で、足元に落ちた
破片を眺める。
...実感、湧かない。
本当に私がやったのか？
一度気になってしまえば、
私の手はおもちゃ箱に伸びていた。
「...あ、Aちゃん！触っちゃダメ！」
先生の焦った声が聞こえるも
それはもう遅くて
バキッッ
私が触れた瞬間、
おもちゃ箱はボロボロに壊れてしまった。
.
「すみません...。」
「いえ、突然でしたし、ちゃんと見てなかった私の
責任でもありますので。」
夕方、カラスの鳴く頃。
私の隣で、おもちゃを破壊してしまったことに
母が頭を下げる。
...本当に申し訳ないことしたな、
謝ったら許してくれたみたいだけど、
本当は怒ってたりとか、
私はそう思っても、
先生は微笑んで言う。
「それに、個性の発現です。
国に個性届、提出しないといけませんよ。
家族でお祝いしてあげて下さい。」
" 凄い個性だよ。Aちゃん "
と、しゃがんで私に目線を合わせてそう言う先生。
『えっと...、ごめんなさい』
それでも、罪悪感は拭えない。
私は子供ながらに頭を下げた。
「...謝らなくていいよ。いきなりだもん。仕方ないよ」
そう言って撫でてくれる先生の手は
凄く、温かかった。
.
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縁(プロフ) - ケロまる。さん» 初めまして。私の作品を読んでいただいてありがとうございます。応援していただけると、とても励みになります！面白いと思って頂けるよう努めていきます！ (2023年2月12日 9時) (
レス) id: 36c180ca86 (このIDを非表示/違反報告)
ケロまる。(プロフ) - 初めまして。この作品を読ませていただいています。あなたの書くヒロアカの夢小説大好きです。上から目線になっちゃいましたが、更新頑張ってください！ (2023年2月11日 20時) (レス) @page31 id: 0601be7ffe (このIDを非表示/違反報告)
縁(プロフ) - 雪樹さん» 初めまして。励みになるコメントありがとうございます。不定期更新ではありますが、面白い作品にできるよう頑張っていきます！ (2023年2月2日 16時) (レス) id: 36c180ca86 (このIDを非表示/違反報告)
雪樹(プロフ) - 初めまして！今日この作品と出会いあまりにも面白すぎて一気に読んでしまいました。今後どうなっていくのかすごく楽しみです。更新頑張ってください！応援しています！ (2023年1月29日 22時) (レス) id: 671c591c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縁 | 作成日時：2023年1月25日 20時
