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宮の父 1 ページ2

カチカチカチ


少し日が落ち始めている時間帯。

家主である宮 和はずっとパソコンと睨めっこをしていた。


『ふぅ、これくらいでええか』


やっときりのいいところまで終わらせて、凝ってしまった肩を回す。


『いってててて、アカンなぁ。四十肩やわ』


凝りで痛む肩に、年の経過を感じて苦笑いをしていると、ピロンッとメールが来た。


『ん?侑からか』

〈オトン!今日部活のメンバー家に呼んでもええ?昼休みにオトンの話したら会うて見たいゆうてん〉

『クス、ちゃあんと青春しとんのやなぁ』


文章と一緒に載せられたバレー部員達の写真に、仕事での疲れは吹き飛ぶ。


《ええぞ。ついでに夕飯も皆で食うか?せやったら、作っとくで?》


そう返すと、既読がついて返信が来る。


〈ええの?!ちょっと待っとって!聞いてくる!〉

『嬉しそうやなぁ』


スマフォ越しの侑のキラキラした顔を思い浮かべて微笑んでいると、すぐに返信は来た。


〈なんや、主将の北さんが夕飯作るん大変やろから遠慮する言うよ。オトン、なんかええ案ない?〉

『まだ若いっちゅうのに、そないな謙虚な子おんねんな』


少し感心した後に、侑に電話をかける。


侑〈もしもしオトン?なんかええ案ない?俺、北さんにもオトンに会うて欲しいんよぉ〉

《分かっとぉ。ちょいとその北さんに電話変わってくれへん?》


電話の向こうで、北を呼ぶ侑の声を聞きながら、台所へと入り、冷蔵庫の中身を見た。


北〈お電話変わりました。主将・北信介です〉

《おお、ご丁寧にどうも。侑と治の父・宮和いいます。急な電話堪忍なぁ》

北〈いえ、大丈夫です〉


落ち着いた声音を聞きながら、和は微笑む。


《北くんには申し訳ないんやけど、夕飯、食べに来てくれへんか?部活後に用事あったとかならええねんけど》

北〈いえ、用事はなんもありません。ですが、宮さんは大変じゃありませんか?〉

《大変もなんも、自分まだ高校生やで?そないな事気にせんと、遊びにおいでな。何時も侑と治がお世話になっとるお礼もしたいし、部活での侑達のことも聞きたいねん。俺の我儘聞いてくれへんか?》


そう優しく告げれば、少し間を置いて北が静かに話し出す。


北〈俺も含めて、六人ぐらいいるんですけど。ええんですか?〉


少し不安そうに言ってきた北の言葉に、和はパァと笑顔を浮かべた。


《もちろんや!いっぱい練習しておいで!腕によりをかけて待っとるけん!》

北〈ありがとう、ございます〉


最後に北の嬉しそうな声を聞いて、電話を切った。

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アッカー - 続きが気になります! はやくみたいです! (2022年3月29日 18時) (レス) @page3 id: d8b9db2304 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 父可愛すぎかよ!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧雨 x他1人 | 作成日時:2020年4月28日 15時

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