【RKRN】鬼才なアイツは先輩が少し苦手【男主】

第三十三話 ｰ図星ｰ ページ2

問題です。俺は今、どこにいるでしょう。
正解は･･･



「良し、子ども達と遊ぶ予習を！」

「あ、あそこに薬草が売っている･･･。」

「ほらジュンコ、ここが町だよ。」

「町の子ども達がいる場所はあっちだー！」

「嫌こっちだー！」

「コラァ！勝手に動くなー！」


町に到着した俺と三年生。

到着すると一気に気持ちが高まり口々に話し出す彼等。
たったの一年の差なのに幼くて可愛らしく、顔が綻びる。


「ちょっとちょっと、俺が問題出しているのに勝手に喋るなって。」


という俺の声も虚しく彼等の声に掻き消されました。

あ、問題の答え･･･。
三年生の言動から分かる通り、俺らは町に来ています！

そして今は町の子ども達との遊び場所に向かっている途中。
だけど方向音痴の二人が勝手に走り出すから俺は対処法として二人と手を繋ぐことにした。


「A先輩！そんな態々手を繋がなくても縄で縛り付けたら良いだけですよ！」


作兵衛の恐ろしき言葉は聞かなかった事にしよう。

ほら、左門と三之助が怯えているじゃないか。


「そんな事言って、本当は羨ましいだけなんじゃないの？作兵衛。」

「！！」


数馬は冗談で言ったつもりらしいが作兵衛には図星らしい･･･。

作兵衛は分かりやすく肩を跳ね上がらせて目を逸らす。
そして頬を紅く染める･･･。
何、めっちゃ可愛いんだけど。

まぁ、俺も鈍感では無いから作兵衛の気持ちは分かった。
俺は意地悪な性格をしていないから作兵衛に「作兵衛、どうしたの？」何て聞かない。
ただ一言、


「作兵衛、帰りに手を繋いで帰ろっか。」


とだけ言っておいた。

❋

三年生と談笑をしていると直ぐに子ども達との遊び場所に着いた。

いやぁ、時の流れって早いなぁ･･･。



子ども達との遊び場所は町の端っこ。
民家から少しだけ離れているけど、子どもの遊び場には十分過ぎる広さがある空き地。
地主からも『好きに使って貰って構わない』と言う有難い許可を貰ったから此処で遊ぶ事が当たり前となった。


「ここだよ。」

「･･･広い･･･。」


俺は三年生に遊び場所を紹介すると第一声が『広い』だった為、思わず笑ってしまった。

すると、町の子ども達がこちらに気付いたのか走ってやって来る。


「A！遅いぞ！」

「ゴメンな。少しだけ事件が起こってしまったんだ。」

「事件！？かっこいい！」

「ところでA、後ろのおにーちゃん達、誰？」

「今日お前らと遊んでくれるおにーちゃんだよ。」

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