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司side
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「司様、会長がお呼びです。至急、会長室へお願いします」
西田にそう言われて、俺は会長室へ向かう。
まさか、計画がバレたか..？とも思ったが、そんな訳はない。
花沢から奪った企業は、俺と直接関わっているから親父は会った事もないし、社員が何十人か増えた事なんて親父が気にする訳もない。
何万人といる社員の数が何十人か増えた所で不思議な事はないからな..。
一年前のあの騒動以来、俺と親父の仲は今まで以上に冷え切っていた。
会長室に呼ばれる時は、業務命令をされる時だけ。
屋敷では、顔も合わさない。
こんな事になったのは、俺が悪いんじゃない。
全て、親父のせいだ――
ｺﾝｺﾝ
「...失礼します」
ノックをして会長室へ入ると、そこにはババァと姉ちゃんもソファに座っていた。
姉ちゃんは、ずっとテーブルを見つめていた。
あの騒動以来、姉ちゃんは俺と口を聞かない。
いない者扱いだ...。
俺の居場所は、ないみたいにな――
「...会長、お話は何ですか？」
俺がそう言うと、親父は
「...十日後に、エドワード財閥の創立記念パーティーがある。
お前への招待状もある。
必ず、私達と一緒に参加しなさい。
これは業務命令だ。」
そう言って、俺を見据えた。
「...分かりました」
興味なさそうに返事をしたが、内心とても嬉しかった。
エドワードのパーティーなら牧野に会える。
この一年の俺の苦労が、その時に報われるかもしれないと...
でも、表情に出してはダメだ。
絶対にバレてはいけないから、バレぬよう早急に会長室を出ようと立とうとした..その時....
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ｺﾝｺﾝ
「失礼致します！大変です！！
うちの株価が、一気に暴落しています！！
取引先や関連企業から、取引を止めたいと連絡が入っていて、営業部や海外事業部など全ての部署の電話回線がパンク状態です！！
会長、どうされますか！？」
親父の秘書がいきなり部屋に飛び込んできて、興奮気味にそう言った。
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作者名：あ す か 。 | 作成日時：2020年5月10日 10時
