73.私 side ページ24
73.
《Aside》
嬉しいのに返事ができなくて黙って俯いたら｢俺ではダメならはっきり振ってくれていいから」って言いながら頭の上に優しく手を乗せられて...
顔を上げたら和也は悲しそうな顔で笑っていて...
私は何回も首を横に振った
A｢...ダメじゃない。ダメなのは私のほう。…和也のことは好きだけど...私のことを和也もそのうちきっと嫌いになるから。だからつきあいたくない…｣
大橋｢…そっか。うん。わかった｣
そう言ったあと和也は｢こぼすとあかんからな｣って言いながら私の手からグラスを取って、テーブルの上に置いて…
｢よしっ、これで大丈夫｣って言いながら私の顔を見てニコッて笑って…
私の肩に手を回して私を抱き寄せて｢やっとギューってできた｣って…。
私は和也の体をそっと押して離して…
A｢…和也…私、"つきあいたくない"って言ったんだよ？｣
大橋｢うん。聞いてたで。でも俺がAのこと嫌いにならなかったらいいんやろ？それなら絶対大丈夫｣
A｢…でも…私は和也にずっと好きでいてもらえる自信がないの｣
大橋｢俺は付き合ったらAのこと、もっともっと好きになる自信しかないけど。笑」
A｢… …｣
大橋｢…俺はAのことが好き。Aも今、俺のこと好きって言ってくれたよな？…それだけでいいやん。Aが俺の気持ちを今は信じられなくても、ぜったいすぐに信じさせるし。笑」
目の前の和也の笑顔に気持ちが緩む。
…和也のことが好き…
…溢れてくるこの気持ちだけもって1歩だけ前に進んでみようかな...
A｢…私...和也の彼女になりたい｣
大橋｢…うん。俺もAの彼氏になりたい。…だから付き合お｣
A｢…うん｣
おでことおでこをくっつけて、笑いあって…
私たちははじめてのキスをした
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作者名：音香-otoka-
| 作成日時：2024年1月23日 16時
