家事代行サービスです。【tn】 (ページ18)

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Aside

結局、夜ご飯を一緒に食べた後、
威嚇しながら帰ったしょっぴくんを見て、
トントンは呆れたようにため息を吐いた。

tn｢ほんま、ちょっとは気をつけた方がええで？｣

男って言うのは何するかわからんのやし……
と、ひたすら説教をくらっている私。

『トントンだって、急に来たじゃん。』

頬を膨らませて言うと、彼は
それは……と言い淀んだ。

『別にいいでしょ。私にも友達がいるの。』

友達、と言っていいのかわからないが、
私にだってプライベートがある。
そこを邪魔はされたくない。

『プライベートくらい縛られなくても良くない？』

tn｢ごめ、｣

そう言って立ち上がると、彼は
焦ったように声を出した。

悲しそうな彼を見て、なんとも思わなかった
訳では無い。でも、今は考えたくなかった。

tnside

1人で静かになったリビング。
彼女が部屋へ帰って、どのくらいたっただろうか。
数分かもしれない。数十分かもしれない。

tn｢また、駄目やった。｣

目を瞑ると、彼女との暮らしが
蘇ってきた。

とても綺麗で、とても優しい彼女に比べて、
仕事でここに来たはずなのに彼女のことが
好きになってしまった俺は、吊り合わない。

tn｢ごめんな、本当にごめん。｣

聞かれもしない謝罪を並べる。
滑稽で、見ていられない。

何度もこの仕事をしてきたが、
失敗したのは初めてではなくて。

でも、恋愛感情を持ってしまったのは想定外だった。
彼女の優しさに触れて、
それをずっと手元に置いていたいと思った
俺の独占欲の汚さや。

もうここにはいられないなぁ、なんてことを
他人事で考えながら席を立った。

人がいなくなったリビングには、
煩いくらいに時計の音がはっきりと響いていた。