５５ ページ9
「――――」
アルミンが裏庭の端で柔軟を進めている中、少し先では常に風の切る音が響き渡る
「……や、やっぱりすごい……」
昨日はやはり、アルミンに合わせて力をセーブしていたのだろう
力強さに素早さ、圧倒的数の量――――
何もかもが昨日とは別物だ
「時間や量で補えるなんてそんなものじゃない」
センスが違うのだ
技に駆け引き、一つ一つ繰り出されるものすべてが鮮麗であり、そこにまるで巨人がいるのではないかと錯覚するほど、正確な攻撃に成っている
一度は巨人を討伐している姿を見ているが、それよりも遥かにすご――えぇ、そこで壁を使うの？！
つい柔軟の手を止めてしまうほど、Aの空を飛ぶ姿は美しかった
が、それもAにかかればすぐにばれてしまう
「――――この一時間の間で、4度も手を止めましたね」
「……す、すみません……」
どこに目がついているんだこの人は……
一時間後、訓練を終えたAがアルミンの元へ歩み寄ると、すぐさま説教が始まった
「私の訓練している姿を見ていろとは言いましたが、手を止めていいとは言っていません」
「は、はい……」
それで
「何が見えましたか？」
Aのこの一時間の姿から何を見たのか、何を感じたのか
「――――愚直に突っ込めばいい、というわけではなく技と駆け引きの中に見出した『確実』を狙う必要がある、と……感じました」
「うん、頭の回転は止めなかったようですね」
これは不問にしましょう、とAは微笑む
「少しは体は楽になりましたか？」
「は、はい、これなら日中の訓練にも支障が出ないかと」
「なら良し、今日の夜もしっかりと柔軟をして早く寝なさい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し(プロフ) - 花音Kanonさん» ありがとうございます。これからも完結に向けて更新していきますので、最後までお付き合いいただければと思います:-) (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 42a95bc79e (このIDを非表示/違反報告)
花音Kanon(プロフ) - 名無しさん» いえいえ！めちゃくちゃ面白いです！好きです！ (2020年12月31日 13時) (レス) id: 43556f048a (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 花音Kanonさん» ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました:-) (2020年12月31日 10時) (レス) id: 42a95bc79e (このIDを非表示/違反報告)
花音Kanon(プロフ) - 秘書って書こうとしたんですかね…？遺書になってます！ (2020年12月30日 9時) (レス) id: 43556f048a (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 駒田針さん» ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました:-) (2020年11月22日 4時) (レス) id: 42a95bc79e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し | 作成日時：2020年9月24日 11時
