お還り下さい天女さま！２【忍たま】 (ページ19)

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あの頃の光景をページ19

部屋の物音１つしない中、雷蔵が口を開いた

雷「まぁ、難しいよね。今の君たちには。」

2人が顔を上げる

雷「僕もね、おんなじだったよ。考え込んで、悩んで、苦しかった。だから、今は考えるのをやめない？」

鉢「えっ…」

雷「考えても答えがまだ出ないんでしょ？なら、少し休もう！」

八「休むって…？」

雷「う～～んそうなんだ…どうやって休もうかな…」

そういうと雷蔵は少し考え込んだ

雷「そうだ！団子屋にでも行かない？あっ…でも待って…甘味屋でもいいな…あーうどん屋でも…う～～ん…どうしようかなぁ…」

いつもの迷い癖

それをみて2人は少しおかしくなって笑った

鉢「雷蔵はしょうがないなぁ」

八「ははっ！雷蔵はやっぱ変わらないな！」

少しだけ笑顔が漏れる
雷蔵もそれにつられて笑う

雷「へへっ…決まんないや！2人が決めて！」

鉢「じゃあ…団子屋にするか！」

八「決まりだな！」

3人揃って木下先生に外出届をもらいにいくと、木下先生はとても驚いた顔をした。

木「お前ら…3人で外出か？」

雷「はい！少し団子屋まで！」

木「…そうか。気をつけてな。」

心なしか先生は嬉しそうだった

道を進み街に着くとすぐに団子屋が見える

雷「2人とも、何食べる？」

八「おれはみたらし団子かな！」

鉢「私はよもぎ餅でも食うかなぁ」

雷「いいねぇ！僕はー…えーっと…」

雷蔵が悩んでいると八左ヱ門が外に掲げてある旗を見て言った

八「今日のオススメは三色団子らしいぞ！」

雷「三色団子かぁ…！それにしようかなぁ！」

団子を注文し、たくさん他愛のない話をした
久しぶりの感覚だった

3人とも楽しそうだった

団子を食べ終わり、外へ出た

雷「美味しかった！！勘右衛門が三色団子を好んで食べる理由がわかった気がする！」

鉢「そうだな…また、みんなで来れたらいいな！」

八「あぁ！今度は兵助と勘右衛門も誘おう！」

雷「うん！…っ！」

八「どうした？雷蔵」

雷「いや…なんでもない」

雷蔵は気がついた

2人が5人でいた頃の楽しさを思い出し始めたことに

そして、瞳の中の花紋が薄れていることに