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玉森side

Aさんもガヤさんも居なくなって、せいせいするはずなのにむしゃくしゃする


あの二人が産婦人科から出てくるのを見た時、衝撃だった


ショックと憎しみが込み上げて、勢い余って、他に好きな人がいるなんて言った


その時はほんとにいなかった


けれどその翌日、俺はこの行き場の無い感情をどうにかしたくて、社内で適当に美人な女を捕まえて落とした


その女は、俺の彼女になってという要望をあっさり飲み込んだ


楽しくもない会話に偽りの笑顔を浮かべ、あたかも幸せそうなカップルを作った


Aさんの視界に入ればいい、なんて思いながら




正直、美香は楽だ


何も考えずに、適当に一般の女が喜びそうな言葉を言えば、喜んでくれるから


でも、虚しかった


一緒にいると、Aさんと美香をどうしても比べてしまう


Aさんならどんな飯作ってくれるだろう


Aならこういう時どんな反応するんだろう


Aさんならこの服似合うんだろうな


Aさん、Aさん_____


俺の頭の中は、Aさんでいっぱいだった





Aさんもガヤさんも会社から去ってしまい、北山先輩とも気まずいまま


上辺だけの彼女だった美香とはもう別れてしまった


俺もだんだん面倒になり、結局あっちも俺に愛想を尽かした


未だに俺の心には、たった一人の女性がいる


忘れなきゃいけない


Aさんもガヤさんも正直憎いけど、大好きな二人だから、たくさんお世話になった二人だから、どうしても憎みきれない


苦しくて苦しくて仕方ないけれど、俺はこの恋に終止符を打って終わらせるべきだ


時間はかかるけれど、いつか前に進める日が来ると信じるしかない

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作者名:たまっち | 作成日時:2020年3月18日 0時

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