二番目の愛-second-

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隣から驚いたように視線が向けられる




｢急に、何言ってんだよ、」


｢もうさ、疲れちゃったんだよね」




うそだよ、疲れてなんかないよ





｢どういう意味だよ」


｢そのまんま。既婚者でなんかスリルあるなーって最初は楽しんでたけど、いろいろと面倒で」




苦しかったけど、あなたと過ごせるだけで楽しかった






｢おまっ、本気で言ってんのかよ・・・」


｢嘘ついてどうするの？これが私の気持ち」




全部うそ、嘘つきなの、私







｢・・・・・だったら、こっち向けよ」




両頬を右手で掴まれ、無理やり顔を向けさせられる


悲しみと怒りと戸惑いに満ちた大きな瞳と目が合う


今にも溢れそうになる涙をぐっと堪える




すうっと息を吸い




｢宏光さんの奥さん、皐月さん・・・赤ちゃんいるんだって」


｢えっ・・・・・」


｢それ聞いたらさ、冷めちゃった。流産しちゃえばいいのに______」




バチンっ


鋭い痛みが右頬に走った




｢あっ、ごめん・・・」




頭より先に体が動く


それが答えなんだよ




｢それが本能。私の言葉を信じるかどうかよりも、奥さんと赤ちゃんを守らなきゃっていう思いの方が強かった。ただそれだけだよ」


｢ごめん、ほんとにごめん」


｢もういいよ。謝られると余計惨めになっちゃうじゃん笑」




それでも何度も、ごめんと言う









負けとわかっているけれど、最後の最後の賭けに出る




｢最後に一つ、聞いていい？」

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