少女Aの独白2 ページ2
帰り道、桃に支えられながら帰っていく。
きっと両親が知ったら怒られてしまうような気がする。でもだからといって桃を説得できるとも思っていない。
貴『自覚し始めたらしんどくなってきたかも』
桃「うーん…こういう時おば様とおじ様いたらいいのに、今日も仕事?」
貴『うん、多分連絡しても自分でどうにかしろってかえってくる』
桃「……そっか。じゃあちゃんと送るね」
と桃は送ってくれる。こういうところが昔からとてもお節介焼きで人気者で。とてもいい子。
家の近くまで来れば、弟が家の近くに居た。
桃「あ!弟くんいるよ!」
貴『ほんとだ。熱うつっちゃいけないから…』
私の弟。両親からの愛をその体いっぱいに受けて、私と違って愛嬌があって、甘え上手で、優しい子。
弟が産まれてから両親は弟にかかりっきりだし、これまで冷たかったご飯も弟には手作りの暖かいご飯に変わった。
私は塾でよく食べるからコンビニのパンだとかおにぎり、時にお弁当を買って食べてるけど、時々弟が話に来てくれる。
桃「ほら、ちゃんと寝てよね!」
貴『うん…』
弟がこっちへ走ってやってくる。
そんな時、トラックが猛スピードでこの住宅街を走ってくる。このままだと弟にぶつかってしまう。
それはダメ。弟は私と違って愛されているから。これから愛嬌もあって、頭もきっといい、聞き分けも良くていい子で私と違う子。だから、このままぶつかって死んじゃったりなんてしちゃダメ。
そんなこと思っていたら体は勝手に動いていた。トラックが私にぶつかる。弟の背中を押す手の感触がある。桃が叫んでいる。目の前がチカチカする。あぁ、弟にトラウマを植え付けてしまったかもしれない。それだけが申し訳ない
あ、ダメだ。このまま目を閉じてしまえばきっと目覚められない。でももう疲れてしまったから…。弟の身代わりになれたじゃん。良かったじゃん、私。
そうだよね…?
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作者名:ろろ | 作成日時:2022年11月6日 22時