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少女Aの独白1 ページ1

生きづらい。呼吸がしづらい。
まるで見えない水の中で溺れているように思える。
この都会の喧騒の中で、きっと私だけがそう思っているのだろうなと思う。

私は生まれてこの方、【怠ける】ということが分からなかった。
両親ともに医者であり、私の未来は医者になることが約束され私は勉強することが必然となってしまっていた。それは周りからのプレッシャーかもしれないし私の強迫観念だったのかもしれない。


桃「あ!A!テスト終わったんだし、今から駅前のクレープ食べに行こうよ!」
貴『うん、誘ってくれて嬉しいけど今から塾なの』
桃「うわ、流石社畜科。テスト終わった当日に勉強とか考えらんない…」


桃は私の友人で、幼い時から一緒にいてくれている心強い頼りになる子。高校から学科別で校舎は離れても、こうやって時々会いに来てくれる。

本当は桃は私立なんかじゃなくて公立の高校へ行く予定だった。なのに「Aについていく!」とかって言って私と同じ高校へ受験しに来た。普通科でさえ難しいのに桃は頑張ってくれてこうやって晴れて一緒の高校にいる

貴『そういうわけだからさ、途中まで帰ろっか』
桃「やったー!A大好き!!
って、熱っ!!!Aこれ絶対熱あるって!」
貴『熱?ないよ』
桃「いや、あるって!」
貴『ないって思えばないよ』
桃「もー!そんなこと言って!保健室行くの!」

桃に背中を押されながら保健室へ行くと、養護教諭の先生は居ないようで空席だった。だから桃がゴソゴソと体温計を渡してきて私に渡してくる
数分待てばピピッと電子音がして見てみる

桃「…37.8。よくいたね!?今日の塾休むよ!」
貴『いや…休むわけには。』
桃「勉強するのは偉いけど、将来のお医者様なら今どうすればいいか分かるでしょ?」
貴『でも…』
桃「はい!いいから休む休む!家まで送るんだから!」
貴『…分かった』

こうなってしまえば桃を止めることは出来ないし、こっちが折れるしかない。これは昔からずっと変わらないこと。こうやって何回も私のことを支えてくれた。
感謝してもしきれないばかりだけど、時々申し訳なくなる。

申し訳ないと言えば、そう思ってるなら自分でちゃんとしようよ!私居ないと死んじゃうよ??と言われたが
確かにそうかもしれない。
とまで思ってしまうのはきっと仕方ないと思うんだ。

少女Aの独白2→



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作者名:ろろ | 作成日時:2022年11月6日 22時

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