ブルピンに拾われました

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・you side・




BLACKP INK。その名は何度も聞いたことがある。施設にいる子達が話していた、確かアイドルグループの名前だ

それがまさかこの人たちご本人だなんて予想できなかった。そして私が唯一知っている曲を歌っているのがBLACKP INKだということも、たった今、初めて知った。






この真っ暗な空に吸い込まれちゃう前に



ねぇ お願いだから そばからもう離れないでよ



どうしても君じゃないとダメなの



永遠ではなくてもいいから



そばにいて stay with me





この曲、知ってる。

施設にいるのも嫌で、とにかく私を知っている人間から遠く離れた場所に行きたくて、解放されたくて、意味もなく繁華街を徘徊していた頃に偶然耳に入った曲。

曲想は暖かさを連想させるのにギターとハーモニカの絶妙なバランスで切なく聴こえる。切ないのにどこか落ち着く歌。1度だけ聞いただけの歌だけどすんなりと歌詞が頭に残ってしまって、施設に帰ったあとでも無意識に口ずさんでいたのも記憶に新しい



もっとこの歌を聴きたい、最後まで、聴いてみたい

歌に集中して耳を澄ませていれば、あっという間にAメロが終わりラップパートになった。私はここまでしか知らない。この先の歌詞が分からない。途中まで口ずさんでいたがそれも止まる

ジェニさんのパートが終わった、と思ったら次は……






暗闇が襲いかかってきた時には私が灯りになってあげる



嘘のような世界で唯一の真実 それがあなた



これはあなたに宛てたラブレター






この声は、、、




LS｢へへ、私の声だよ｣




聞き覚えのある声が聴こえてふと右隣に視線を落とす。未だソファに腰かけているその人は、少し照れくさそうにしていた。

普段とは違う少し低くて落ち着く声。暖かくて、思わず手を伸ばしたくなるような、そんな声をしていた。胸が暖かさを覚えてじわじわと全身に染み渡るような感覚がした。






もし、私の中の暗い部分をこの人に見せたら


この人は私の灯りになってくれるのかな


もし、この嘘のような世界で、もう一度信じれるものができた時、


この人は、、


私のそばにいてくれるのかな

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