指輪 *You* ページ45
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和「指輪付けましょうか？」
彼が笑う。
嬉しいよ。幸せだよ。ホントに。
もったいないくらい。
でも。幸せ過ぎて、怖い。
現実なんだもん。
現実、だから、
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「…。」
和「どうしたの、」
どうしても、怖くなってしまう。
「…ほんとに、いいの？」
和「…はい？(笑)」
「ファンの人たち、離れてっちゃうよ、」
和「…。」
「…、」
和「そんな悲しい顔しないの(笑)
俺がさ、Aと結婚したいんだよ。
世間にどう思われたって全然気にしない。
俺言ったじゃん。頑張るって。
売れなくなったとしても、Aがいて初めて、頑張れるようになるの。
だからそんな寂しいこと言わないで、
笑顔で。ね。」
「…和くん…ｸﾞｽﾞｯ､」
和「おいで」
「うぅ…」
ｷﾞｭ
和「泣かないの(笑)」
「…、ふっ、」
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和「…落ち着いた？」
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和くんに抱きしめられること10分間。
お互いに黙ってた。
彼はずっと私の頭を撫でてくれて
私はその肩に顔を埋める。
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「…うん。ごめんね」
和「泣きたいときはいつでも泣いて。
俺の前で。」
「…うん。」
和「じゃあ気を取り直して。付けていいですか？」
「お願いします。」
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ゆっくり、箱を開けられ
ゆっくり、中身を取り出されて
ゆっくり、左手の薬指に通るリングは、
とても綺麗だった。
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「わぁ…」
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小声に近い声は空気に消える。
和「綺麗でしょ。これね、俺がデザインしたの。」
「えっ」
プラチナ系のS字形で
キラキラと小さなダイヤモンドが輝く。
和「すごいでしょー」
自慢げに話す彼見ながら、
その笑顔に
何度やられたことか、
ここまでしてくれる和くんに私の涙は全然止まってくれない。
「…どうしよう、嬉しすぎるよ。」
和「まーた泣いた。泣き虫さんだなー(笑)。」
「和くんのせいなの」
和「なんで(笑)」
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作者名：優香 | 作成日時：2017年3月28日 22時
