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二ノ怪…七 ページ15
「ギギギーッ！」
木の根が燃やされ
親分の叫び声が木霊する。
メリメリと音を立てながら
木の根が剥がれていく。
しばらくすると
木の根は弱体化したようで
炎も収まった。
親分は痛みで気絶したようだった。
その後、親分は奇跡的に目を覚ました。
「ありがとう、
諦めんで良かったよ。」
チビたちは待てなかったようで
親分を迎えにきていた。
「ワシの望み、叶えてくれたこと
本当に感謝する。
モノノケ庵のことはガッツリ
宣伝しとくからな。」
親分は割りと元気そうだ。
「せんでいい！仕事が増える！
…このような形でしか
祓えず本当に申し訳ない。
モノノケ庵主としてお詫びします。」
安倍さんは親分の冗談を受け流し
主として謝った。
「望んだのはワシじゃ。
そんな顔せんでもいい。」
そんな安倍さんの姿に
親分は気にするなと言わんばかりの
表情をした。
「あの…生意気なこといって
すみませんでした！」
「構わんわ。
あの言葉がなければ
ワシは本音を口にすることも
しなかっただろうしなぁ。」
親分は再び、俺たちに
感謝の言葉を述べて
隠世へと去っていった。
扉を閉める前に
安倍さんは親分に亀薬堂という
薬屋を紹介していた。
その後、安倍さんは
睡魔でぶっ倒れたが
何とかモノノケ庵を
呼んでもらった。
さすがに、
そのまま寝たら風邪をひく。
モノノケ庵の意思と
初めて会話をして
家まで送ってもらった。
大変なこともあるが
少しばかり
やりがいも感じた１日だった。
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作者名：桜月 | 作成日時：2020年10月27日 5時
