V6°短編集° (ページ45)

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好きです。キライです。赤ページ45

今日は5月17日。

今日は歌番組の打ち合わせ。

俺は舞台の稽古があったので、1番最後に着いた。

今日は未だに波長の合わない人の誕生日。笑。

だから、楽屋に入ればもう5人が盛り上がってて誕生日プレゼントをせがまれると思ってた。

のに、

「どしたのこれ。」

「あっ、剛くん」

「おはよ剛」

とすごい勢いでにやついてくるお母さんと末っ子。

健は見るからに下向いて落ち込んでて、

坂本くんは定期的にため息ついて、

井ノ原くんは机に突っ伏していた。

「きもいから」

今もにやにやしている2人。

「まじでどしたの？」

「『好きです』なんでしょ？」

とにやにやしながら聞いてくる長野くん。

それで全部悟った。

昨日のしゃべくりだ。

あんな言葉１つで。

子どもかっ笑。

でも、俺の言葉１つでこんなにも一喜一憂してくれてると思うと、嬉しくて顔が綻ぶ。

健「剛！俺は見損なったよ！」

お前もっと上手に演技できるだろ。笑。

井「今は合ってるでしょ波長！」

合ってない合ってない。笑

坂「そりゃ昔はキライだったかもよ？でも今もキライって、そんな辛いことはないよ」

俺はやっぱりここが好きだ。

「だってあれは会って３秒の感覚の話だぜ」

まだ浮かない顔をしている3人。
俺の口から何を言わせたいんだ。

「俺たち会って３秒じゃないじゃん。20年だぜ？」

と言うと5人一気にこっちを見た。

「ごぉぉぉぉぉぉ」

と抱きついてきた健を避け、

「はい、井ノ原くん」

「何これ」

「誕生日プレゼント」

「うそ！まじで！剛から誕生日プレゼントなんて明日雪降るぜ！笑」

その中身はご想像にお任せします。