【d!】初恋に彩りを【syp】 (ページ4)

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美術部ページ4

『先生、俺、この学校には美術部があるって聞いたんすけど』

部活動紹介が終わり、今日は下校になった

生徒会について聞きに行く前に、俺は直ぐに職員室へ向かい、担任の先生へと美術部について聞いていた

先生「おっ、もしかして美術部があること知ってんのか？！珍しいこともあるんだな」

『ってことはやっぱり…！！』

先生「この学校に美術部はあるぞ、ただ……」

『ただ？』

先生「部員が1人だけなんだ」

『部員が………1人……』

おかしい、ここの学校のルールでは、部活動は5人以上いるはずだ

それなのにどうして……

『先生ありがとうございます…俺、美術室行ってみます』

先生「お、おい…！」

先生が後ろから声をかけていたが、そんなことは俺の耳には入らず、気づけば美術室へと走っていた

『くっそ…！！なんでこんな時に美術室はしにあんねん…！！』

幸い、体力はある方だったからよかった

それから少し走って、ついに

『ここが…美術室』

微かにドアがあいていて

そっと覗いてみると

『！！』

そこには、たった一人で大きな絵画を描く女子生徒がいた

ひとつに束ねられたきれいな黒髪、ほんのりピンクに染まった頬、青と黄色のグラデーションになった宝石のような瞳

『綺麗…』

一言でいえば綺麗だった

心臓の速さが一気に速くなる

絵画を真剣に見つめる目は宝石そのもので、教室に吹く風は彼女のために吹いている、といっても過言じゃなかった

そして、彼女の描いている絵

『(間違いない…この絵の感じは…)』

彼女の目に映るのは桜の水彩画だった

頬に少しついている水色の絵の具、手に持っているパレットを見る限り、間違いなく彼女が描いたものだろう

と、そんな時

「で～？いつまで見てるわけ？そこの君」

『！！』

突然声をかけられ、俺ははっとした

「ふふっ…やっと気が付いた？」

『えっと…その…そんな意味じゃなくて…』

声をかけられたのは紛れもなくさっきまで俺が見とれていた人だった

俺に向けられた笑顔に、また見とれてしまいそうになる

いつの間に俺に気が付いて…

「まあ、珍しいから気が付いた、ってところもあるんだけど…

ところで、君新入生？」

『あ…はい、そうっす』

「そっか…もうこんな時期なんだ

私は高等部三年、AA

あなたは？」

『！！』

やっぱりこの人だ

俺の探していた人は