【d!】初恋に彩りを【syp】 (ページ22)

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【番外編】風邪ページ22

『39.5……今日は休みですね』

「うー、まだやること山積みなんやけど…」

とある日の朝、Aさんの顔色が悪くふらふらとしているから強制的に熱を測るとこの様子

とりあえずAさんの仕事先である病院に連絡し、急遽有給を取らせてもらった

俺は元々休みだったから助かった

『おかゆ作ったんですけど食欲あります？』

「うんー、はよ治さんとみんなもしょーくんも困るから、とりあえず食べとこかなー、ありがとぉ」

『…………』

「……自分で食べれるよ？」

『病人は大人しく言うこと聞いてくださーい、はい、あーん』

「むぅ…あーん」

何だこの可愛い生き物

普段マイペースだが誰よりもしっかりきっちりしているAさんがこんなにもふにゃっふにゃで無防備だなんて

まじで可愛い

まじで、可愛い(真顔)

しかも基本的に標準語で話すのに完全に方言に崩れてる

可愛いまじで

可愛い、まじで(真顔)

そのまま十数分後にはおかゆを完食してくれた
普段元々の食生活がズタボロやからこういう時は大人しく食べてくれるから助かるわ
薬も飲んでくれたけどそこはなんの躊躇もないんやな、強い

「ごちそうさまでした〜」

『じゃあ俺は片付けしてくるんで、しっかり寝てくださいね』

と、俺が立ち上がった時にTシャツの裾をきゅっと掴まれた

振り返るとほんのりと顔が赤くなり目が潤んでいるAさんが眉を下げてこちらを見ていた

『っ？！』

あまりに無防備で色気がある姿に流石に俺もびっくりしたしドキッとした

「あ…あの…さ、なんか寂しいから…一緒に寝て欲しいなぁ……なんて……えへへ…」

ふにゃりと笑うAさん

『……ほんっと、可愛すぎるんですけど』

片付けに行こうと思ったが、やめた

ベッドに入り、いつもより少し暖かいAさんを自分の腕の中に抱きしめる

「わっ…そ、そないくっついたら風邪うつる…！！！」

『はーいそんなの知りませーん、もし俺が風邪ひいたら先輩が看病してくれるんでしょ？』

「………苦い薬処方する」

『はいはい、先輩が看病してくれるならなんでもいいっすよ』

「んふ…じゃあ先輩、頑張るね」

「…ありがとう、しょーくん」

『なっ…！』

びっくりしてAさんを見ると、既に寝ていた
心臓に悪い

『寝顔、ほんま可愛ええ』

『俺は、愛してますよ、A』