受信54 ページ24
「おっ、来たな。赤葦、いきなり頼んで悪かったな」
「いえ、別に平気ですよ」
黒尾さんは、家のおそらくリビングのようなところで我が物顔でくつろいでいる。
孤爪を見たときにも、感じたものだけど、この二人はよくこの家に来ているんだろうな。と再認識する。まぁ、孤爪と黒尾さんは幼馴染だというし、従妹であるこずとも昔からよくあそんでいたのだろう。
「ああ、そうだ。叔父さん、これ母さんから」
孤爪の背中にあるリュックサックから、お惣菜のはいったタッパーが、手渡される。
……用事はひとつではなかったのか。
「研磨、ありがとなぁ。うーん、うまそうだ。どうしても自炊はうまくいかなくてねぇ……」
とほほ、と軽く嘆きつつタッパーを冷蔵庫にしまう様子を俺は、じっと見つめていた。どうしようもなかった、どこをみればいいのか。
リビングの、棚。たくさんの、賞状にトロフィー。そして、写真。
すべて、バレーを楽しむ人のものだった。俺たち高校生よりもずっとあどけない表情を、してるものが嫌でも、目に入り込んできた。きっと、この一家は。
この家は、孤爪Aの家族は、バレーに親しんで生きてきたのだろう。
それは、きっと彼女も一緒だ、とてもとてもとても、愛している。バレーボールを。
「じゃあ、さっそく本題に入るね」
本題、という単語に心が激しく揺れる。
「……夏合宿で、Aが倒れたのは、一回だけ」
さすがに、何が原因なのかは見てるだけじゃわかんなかったけど。と孤爪は掠れた声で。
「気分悪そーに立ってたのはかなりあった。やっぱまだつらいのか……っていうかさぁ、あいつの腕、もう完治してんの？」
彼女の様子を思い出しているのか、黒尾さんは少し顔をゆがめる。
第三者になってただ言葉を理解しようとしていた、俺に知らない単語が俺に危機反応を与えた。
それでも、無意識に口がうごく。
「腕……？」
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七瀬@杏樹(プロフ) - りんりんさん» はい…そこから大まかなイメージを頂きました。まぁ、例のセリフだけなので密接に関係があるわけではないんです笑コメントありがとうございます！ (2017年9月22日 23時) (
レス) id: 3067bbe722 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - あら、ハッピーシンセサイザ...ですね？ (2017年9月21日 23時) (レス) id: 08c84499b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬杏樹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Annzu/.
作成日時：2017年1月6日 17時
