受信52 ページ22
「赤葦、この後暇？」
そう声をかけてきたのは、よく知っている特徴的なプリンカラー。
「孤爪……？なんでここに」
孤爪がいるのは、梟谷学園の正門前。つまり、俺の通う学校。
ジャージ姿だったから、おそらく音駒のほうも部活が終ったのだろう。まぁ、それはこちらもだけど。
「ちょっと、ね。話すことがあって、後でクロも合流する」
黒尾さんと孤爪が俺に一体どんな話が……？そんな考えを読み取ったかのように、答えを紡ぐ。
「Aのこと。赤葦と結構仲良いから」
意外な答えで、声が喉につまる。え？だなんて声もでない。そのぐらいに驚いた。
「た、確かに、仲悪くないけど」
「大丈夫、俺たちの考えだけだし」
「いや……でも」
っていうか、どこが大丈夫だよ。俺のしどろもどろな言い訳なんて、聞かないで歩き出す孤爪の背中を慌てながら追いかける。
「どこいくんだ？」
「叔父さんの家。ここから結構近いんだ」
「……なぁ、まさか叔父さんって」
「Aの父さんだね」
なんでもないように、さらっと爆弾を落としていく孤爪の顔を呆然と見つめる。
「なんで、俺がこずの父さんのとこに？あ、あとこずの家って宮城じゃないのか？」
勢いあまって、次々浮かんでくる質問をただ続ける。孤爪はあきれたようにこちらを向く。
猫の瞳がこちらを見つめる。
「叔父さんとAは別々にすんでるの」
「えっと……」
「離婚じゃなくて、単身赴任。叔父さんは中学校の先生なの。一応コウくん、Aの兄さんねも東京にいるけど、叔母さんとAが宮城」
ああ、そういうことか。
「……これで、いい？」
「うん、わかった。ありがとう」
「俺は、この前の合宿の時のAの様子を伝えにいく」
”こずの様子”って、なに？なぜだか先ほどまで、出来ていたはずの質問が出来なくなる。
俯きながら孤爪がぼそりとつぶやく。
「合宿のとき、Aがどんなだったのか」
なぜ、そんな言葉を言ったのか、俺はわからない。
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七瀬@杏樹(プロフ) - りんりんさん» はい…そこから大まかなイメージを頂きました。まぁ、例のセリフだけなので密接に関係があるわけではないんです笑コメントありがとうございます！ (2017年9月22日 23時) (
レス) id: 3067bbe722 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - あら、ハッピーシンセサイザ...ですね？ (2017年9月21日 23時) (レス) id: 08c84499b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬杏樹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Annzu/.
作成日時：2017年1月6日 17時
