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着信43 ページ13

*

沈黙が私たちの間を支配する。
ここじゃなんだから。と連れてこられたのは、随分と落ち着いた雰囲気のお店。

私、こういうオシャレなトコにくるの、初めてなんでよくわからないんですが。

少しだけ離れた席に及川さんらは座っている。
そして、お互い終始無言で、従業員さんが出してくれた水をちびちび飲んでいる私たちを見て、囁きあっている……なんでだろうなー、あっちは楽しそう。

はじめ先輩は、ただボーッとメニューを見てるけど、商品を見ているわけではなさそうだ。
本日、何度目かわからない溜息をつく。
ついに、耐えられなくなって、私は口を開けた。

「はじめ先輩、嫌だったら帰っても平気ですよ?」

私は、気にしませんから。そう言ってもはじめ先輩は、帰るそぶりも、何か言うそぶりさえも見せない。

それは、私にとって嬉しいのか、切ないのか。

嘘をついたつもりもないのに、赤葦さんに、嘘をつくな。と言われた時の方が心臓の音は、耳に入ってきていた。
……ある意味で、あれは図星だったのだろう。

「げ、元気にしてたか」
「……特に、変わってません。健康面では」
「そう、だよな」

はじめ先輩の返しで、私は国見から話を聞いたことを察した。
一体、国見がどこまで正しい情報を手に入れたのだろうか、変に尾ひれがついてないといいけど。

はじめ先輩は何を聞きたいのかは、わかっていた。
でも、それを答えてしまえば、きっと私のコレは、唯の重りになってしまうから。

「聞いたけど、お前……」

気まずそうに、切り出した先輩の言葉を崩す。聞きたくない。

「私、東京にいました。あの日は、どうしても見たくて。宮城に。
青城、誘ってくれてありがとうございました。でも、烏野に行ったことは、自分で選んだことなので」

先輩が言おうとした問いは、それではないことを知っていた。
でも、私は聞きたくない。ならば、予防線を張ってしまおうか。

***
ちなみに、こずは1年の時に金田一と同じクラスで、バレー関係で仲良くなり、国見とは2年で同じクラス。よく隣の席になったため、仲良く喋ってました。

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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治,影山飛雄 , 岩泉一   
作品ジャンル:恋愛
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七瀬@杏樹(プロフ) - りんりんさん» はい…そこから大まかなイメージを頂きました。まぁ、例のセリフだけなので密接に関係があるわけではないんです笑コメントありがとうございます! (2017年9月22日 23時) (レス) id: 3067bbe722 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - あら、ハッピーシンセサイザ...ですね? (2017年9月21日 23時) (レス) id: 08c84499b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬杏樹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Annzu/.  
作成日時:2017年1月6日 17時

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